母の百箇日の法要を終えた頃に会長さんから連絡が入りました。
「今日、△△山でロープワークの練習ばしゅうで思とっばってん、あんたはどがんね?」
*日本語訳:今日は△△山でロープワークの練習をしようと思っているのですが、あなたはどうですか?
会長さんからのお誘いはいつも唐突です。
しかし、これも私の事を心配しての訓練へのお誘いです。
私は少し考えましたが、3ヵ月も活動から離れていたことで不安もありましたので、有り難く会長さんのお誘いを受け行くことにしたのでした。
急いで準備をし、会長さん宅を廻り、車で30分程のところにある△△山の登山口に到着しました。
登山口から少し歩き、手頃な斜面を見つけてロープワークの練習が始まりました。
始めて使う登攀具もありましたが、それらの登攀具の使い方や注意点を会長さんは丁寧に教えてくれました。
ロープワークの練習が思いのほか早く終ったので、山頂近くの稜線にある磨崖仏を見に行くことにしました。
急斜面を30〜40分登り、尾根まで出た辺りの杉木立の向こうに平らな岩の壁が見えてきました。
よく見ると、その岩の壁には観音様の姿が彫られています。
今まで、山で石仏を見かけてもそれほど興味は湧かなかった私ですが、ブログ仲間のtenzanbokkaさんの影響でしょうか、観音様の優しいお顔をしばらく見上げていたのでした。
そして自然と掌を合わせていました。
登山道を下りながら、久しぶりに心地よい疲労感を感じるとともに、優しい気持ちになっている自分を感じていました。