受付の女性の言葉は私を緊張から解き放ってくれました。
更に私を救ったのは次の一言でした。
「そこの階段を降りた所に乾燥室があるので、濡れたものがあれば名前を書いた札を付けて干して下さい」
これでズブ濡れになった登山靴や衣服やテント、ザックも乾かすことができるのです。
私は部屋に行く前に乾燥室に向かい、濡れた登山靴やレインコート、ズボンと明日身に付ける衣服をハンガーに掛けて干したのでした。
私に当てがわれたのは8人部屋で、梯子付きの2段になった寝床が通路を挟んで並んでいました。
決して広いスペースではありませんが、私のテントより広いうえに雨の心配も無く暖かい布団で眠れることを有難いと思い感謝しました。
おまけに、白濁の温泉と美味しい食事も付いているのです。
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電源もWi-Fiも水栓トイレもあるし、天気図も台風の進路予測もテレビが教えてくれます。
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私は夕食後も夜も早朝も何度も乾燥室に足を運び、下着以外の乾かせるものは全て替わる替わる乾かしたのでした。
また、翌朝は4時頃から朝風呂に入り、誰もいない脱衣場でヘアドライヤーを使い、濡れたお札や財布、ウエストバッグまで乾かすことができました。
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朝は雨が降っていましたが、すっかり乾いた登山靴や衣服を身に付けて石畳の道を室堂に向けて歩き始めました。
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そして、10時過ぎには立山駅前の駐車場に戻ることができたのでした。
予定では、その日のうちに南アルプス北部にある北沢峠まで移動することになっていました。
しかし、台風15号が紀伊半島から東海辺りに接近していましたので、麓にある伊那市の道の駅で一晩様子を見ることに決めたのでした。