マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

第39話 戦闘前夜

2016-11-03 22:02:22 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【西暦2021年3月25日ニューエドワーズ基地】

模擬戦を明日に控えラウラ達アンサーズ隊員達は基地内で休息をとった。

隊員は趣味の時間に費やしたりミリアに対する戦術を考えたりなど・・・
それぞれ違う事をやりながら束の間の休息を楽しんでいた。

一方で・・・・・・

ニューエドワーズ基地に一機のVCー27タニーが来訪し・・・・
エデン防衛軍の幹部らが司令室を訪問した。

ゴメス大佐「わざわざクラビウス基地から来訪するとはな・・・」
新統合軍エデン防衛軍.開発部長ゴメス・トランプ大佐

エーベルト「はい。」

佐々木中佐「しかもあの桐原茂人の指揮する部隊か・・・・」
新統合軍エデン防衛軍副官.佐々木隆文中佐

司令室を訪れていたエデン軍の幹部は開発部長のゴメス・トランプ大佐とその副官だった。

トランプ大佐が訪れた理由は表向きはVF-Xー10の視察だが・・・・・
真の目的はクラビウス基地から派遣されたアンサーズ中隊の様子を見る事であった。

白川提督がミリアの訴えに答える形で派遣されたアンサーズ中隊は・・・・
人手不足である新統合軍の各可変戦闘機中隊から人材を引き抜き顰蹙を買い・・・
ましてや変人で有名な第一次星間大戦のエースが指揮官の部隊として知られており・・
各地の統合軍の幹部はいい顔をしてなかった・・・・

もっとも白川提督の私兵と言ってもいいような部隊だ・・・・

ゴメス大佐「まぁ赤い稲妻の異名を持つジーナス中尉が満足するような腕前でなければ白川の権威は失墜でしょうな。」

エーベルト「言うなトランプ、我々は最新鋭機を各地の戦線に派遣しなければならんのだぞ。」

ゴメス大佐「ふん言っておけ・・・VF-Xー8の二の舞にはしないっての。」

茂人とアンサーズ中隊の評判は内心低い・・・・・

第二次世界大戦時にあったかつての日本の第343海軍航空隊のような実力を発揮できるのか
ただ優秀な人材を集めただけの張り子の虎のような組織になるのか・・・・・
もっとも茂人は源田実大佐のような優秀な人間だとは思えないが・・・・

トランプ大佐らエデン軍の幹部らは茂人の指揮官としての実力に疑念を抱いており・・・
ミリアそして開発者のアルガスの期待に応えれないと考えていた。

吉野大樹「相手はミリアなのか・・・・」

大樹は官舎に荷物を置いた後・・・・
自分の愛機が格納されている格納庫付近で煙草を吸っていた。

自身が副官として所属しているアンサーズ中隊の初陣の相手が・・・
第1次星間大戦のゼントラーディ軍.地球統合軍のエースであり・・・
特務部隊ダンシング・スカルの副隊長であるミリアとは・・・

軍に身を置いてエースと呼ばれる実績を持っているが・・・・
ミリアに勝てる自信はない・・・・・

そう考えながら吸ってた煙草を捨て格納庫に入った・・・・

ラウラ「明日なのか・・・・・・」

大樹が煙草を捨てた頃・・・・・
格納庫で愛機と向かい合いながらラウラは明日について考えていた。

明日はゼントラーディ軍時代目の敵にしていたミリアと戦えるが・・
だけど、今は個人による戦闘よりも組織で戦う事が重視されており
大樹や神楽を初めとする僚機の事を考えなくてはいけない・・・・

自身の闘争本能を抑えて戦う事が出来るのか・・・・
それとも・・・・・

吉野大樹「ん?ラウラ、お前いたのか?」

ラウラ「ちょっとね・・・・部屋でのんびり出来なくてね。」

吉野大樹「そうか・・・・・」

深く考えていると大樹が話しかけてきた・・・・・

大樹は戦歴は自身より少ないが階級は上官であり・・・
自身が所属するハンター小隊の隊長で・・・・
更に言えばアンサーズ中隊のナンバー2である副隊長だ。

ラウラは大樹に部屋でのんびりできなかったと告げると・・・
大樹は寂しそうな表情を浮かべた。

吉野大樹「なぁラウラ・・・・」

ラウラ「なんですか?」

吉野大樹「軍の学校知ってるか?」

ラウラ「軍の学校ですか?」

大樹は優し気な雰囲気でラウラに軍の学校を知っているかと聞いてきた。

軍の学校を知っているかどうかの質問に戸惑った・・・
何故今そのような質問をするのかと・・・・
それにいつもの大樹ならそのような事を質問するはずがない・・・だって

いつもの大樹は鬼のように怖いから・・・・・

ラウラ「知ってますよ士官学校などとかですよね、確か大樹は士官学校の出のエリートだと知ってます。」

吉野大樹「よく知っているな、俺は航空課に属していた。」

ラウラ「士官学校の出だと大佐以上の階級になれるとかで、そうじゃない私からしたら羨ましいですよ。」

質問に対し士官学校を知っていると答えた。

士官学校は軍の将校を育成する学校である。
ゼントラーディ軍の軍人であったラウラは軍の指揮官として教育する学校の存在に驚いており
もし地球人であれば進学してみたいと思っていた。

もっともな話士官学校の出身ではないラウラは・・・・
規定により将官に昇進する事ができないため猶更

とは言えなぜ今そんな話を大樹がするのか?ラウラは気になった・・・

ラウラ「なるほどって・・・でもなんでそんな話をするんですか?」

吉野大樹「・・・・・明日の演習・・・・新兵のように怖くなったからな・・・・」

ラウラ「えっ・・・・・・」

明日のミリアとの演習が新兵のように怖くなった・・・・
いつもの強い姿ではなく弱弱しい表情で大樹は語った。

ゼントラーディ人であるラウラは内心楽しみであり・・・
大樹の言う新兵のように怖くなった発言に驚く・・・・・
一体何故・・・新兵のように怖いのか・・・・

もっともな話大樹は卒業後、マーズウォーズ事件を始め
数多くの戦線で戦い抜いてきたエースパイロットである・・・・
向かう所敵なしであり、ラウラもいつかタイマンで勝負してみたいと思っていた
その大樹が新兵のように震えているとは・・・・

ラウラはいろいろ察しながら大樹は語り始めた。

吉野大樹「士官学校で軍人として厳しい指導を先輩方や教官らに教わり・・・卒業し今に至るが・・・・初陣と明日の戦闘程、恐怖と思った事はない・・・・」

ラウラ「初陣は分かります、でも・・・・なぜ明日は・・・・・」

吉野大樹「赤い稲妻であるミリア・ファリーナ・ジーナス中尉だからこそだ・・・・分かっているとは言え、勝てる自信はない・・・・」

ラウラ「それは・・・・・」

ミリアに勝てる自信がない大樹が語った言葉だった・・・・・

いつもの大樹だったら軍人として凛とした態度で挑むかと思ったが・・・
今の大樹にはその欠片一つすらない・・・・・・
言ってしまえば、ラウラが忌み嫌う負け犬そのものだった。

大樹はその後も、弱音を吐き続けたがラウラからしたら段々と腹が立ってきた
ラウラ自身、強い相手だろうと挑んできた・・・・・
先の大戦で言えば圧倒的に勝てないボドル基幹艦隊に挑んで生き延びてきた・・・
それなのに大樹は死にもしない演習ごときで怯えるのがウザい・・・

ラウラ「やはり日本人は平和に溺れた犬なのか・・・・」

吉野大樹「なんだと!!上官に向かって・・・・」

ラウラ「勝てない相手だからってそう簡単に諦める平和に溺れた負け犬と言って何が悪い!!」

吉野大樹「言ったな一端教官仕草だな。」

腹が立ったラウラは大樹に日本人は平和に溺れた犬だと罵声を浴びせた。
上官に罵声を浴びせたラウラに当然のように大樹は激怒した。

普通であれば上官侮辱罪としてラウラは警務官に連行されてしまう・・
それでもラウラは情けない姿を晒す大樹に更に罵声を浴びせる・・・・
警務官に見つかったら確実に懲戒処分になってしまう・・・

そんな時・・・・・

ミリア「へぇラウラ・・・・上官に一端の言葉を浴びせるのね・・・・ベルタリア准尉・・・・二度とするな」

ラウラ「ミリ・・・・ジーナス中尉・・・・」

ミリア「吉野大尉も言われっぱなしね、ここは上官侮辱罪で警務隊に通報すればいいのに・・・・」

吉野大樹「・・・・・」

ミリア「まぁ部下にここまで言われたら不問にすべきね、大尉殿。」

吉野大樹「す・・・すいません」

偶然、ダンシング・スカル制服を着たミリアが通りかかった。

ミリアはラウラと大樹両方を叱った。
まず最初にラウラは上官に対して侮辱罵声を浴びせた事を叱り・・・・
大樹には部下にここまで言われるのは流石に上官としての威厳に関わる事を叱った

ラウラと大樹は冷静になり、自身の今している行為を反省した。
軍人としてではなく人としてどうかしていたと・・・・・

二人の反省を見たミリアはラウラに近づいた。

ミリア「どうせ浴びせるなら新人の軍人にしなさい。」

ラウラ「はぁ?」

ミリア「将来的、軍の訓練教官になって見たらどう?」

ラウラ「訓練教官ですか?」

ミリア「さっきの罵声、新人の甘え軍人に理不尽に耐える能力を教えられそうだわ。」

ラウラに近づいたミリアは軍の訓練教官にならないかと言ってきた。

軍の訓練教官は新人軍人の育成を務める軍人であり
ラウラは機種転換センター時代に民間人から軍人を育てる教官職があるのを知った。
戦闘知識もない民間人を軍人として育てるのは魅力的であり・・・・・
今後の将来なろうかなと考えていた。

そんなラウラの考えをミリアは見抜いており・・・・
さっきのラウラの言動を見て軍教官として推そうと考えた。

ミリア「吉野大尉。ラウラが言う言葉の意味を考えなさい。」

吉野大樹「えっ・・・・」

ミリア「ラウラはね私と同じく絶望的なボドル基幹艦隊決戦を生き抜いた戦士なの、勝てにくい相手だろうとあの娘は戦ったわ。貴方も自信持ちなさい。パイロットでしょ」

吉野大樹「ハッ」

ミリア「ふっ・・・・バカね、貴方は上官でしょ。」

吉野大樹「す・・・すいません。」

大樹の方には戦士としての心がけを授けた。

ラウラが激怒し罵声を浴びせたのは地獄のボドル基幹艦隊決戦を生き延びたからであり
少なくない戦友を失いかつての同胞を殺す決断を下し決戦から生還した。
普通なら誰もが勝てるとは思えない戦場を戦い抜くのは普通じゃない。

あの戦場で戦い抜いた者・・皆・・・自分が何者で何であるかを貫いた

同じ戦場でラウラと共に生き抜いてきたから分かる・・・
ミリアはそう考えていた。

ミリア「二人とも仲直りしなさい、いざって言う時後ろにいる国民の皆さまが困るでしょ。」

「「はい」」

ミリア「後・・・・・大事なパートナーが戦友だと連携強くなるから仲良くなって相棒と言える関係になりなさい。」

「「え・・・・」」

ミリア「ふふふふ・・・・以上よ」

官舎に戻ろうとするミリアはラウラと大樹に仲直りする事と・・・
相棒と言えるような関係になるように言った。

ミリアは第一次星間大戦で敵でありライバルであり戦友であり・・・・
そして大事な家族となったマクシミリアン・ジーナスと結婚し・・・・
結婚してから強力な連携を構築し更に戦果をあげるようになった。

もっともラウラそして大樹・・・上手くいけばいい相棒関係になれるかも

と・・・・・ミリアはそう期待していた

だが・・・・・・・

ラウラ「・・・・」

吉野大樹「・・・・・・」

ラウラ「と・・・とりあえず戻ろうか・・・・吉野君」

吉野大樹「そうだね・・・・・ベルタリアさん。」

ミリアの最後に言った言葉はラウラと大樹は変な風に受け取ってしまった。

男女の仲を深めて戦場を生き抜けば最強の連携を作れ・・・・
先の大戦で実績を作ったミリアなら言い出しかねない・・・・

ラウラと大樹は顔を赤くしながら官舎に向かう・・・・

吉野大樹「ラウラ・・・・一ついいか?」

ラウラ「何?恋人とやらになるの?」

吉野大樹「ちげぇよ・・・・・俺が可変戦闘機パイロットになった理由聞いてくれないか?」

ラウラ「大樹が可変戦闘機パイロットになった理由?」

官舎へ向かう道中・・・・
ラウラは大樹から可変戦闘機パイロットになった理由を聞いてくれないかと言われた。

大樹が可変戦闘機パイロットになった理由・・・・・・・
いきなりなんだと言う感想がラウラから出た・・・・
むしろさっきのムードが台無しになってしまったと考えた。

ラウラ「やめとくわ・・・・・」

吉野大樹「なっ・・・・・」

ラウラ「聞かなくても、戦いの最中で分かるかも知れないんで!」

吉野大樹「はぁなんだよそれ!?」

ラウラ「怖い大樹の方が大樹らしいし」

吉野大樹「馬鹿にしてんのかテメェ」

正直大樹の可変戦闘機パイロットになった理由は今聞く必要がなかったので
じと目でラウラは拒否した。

今聞かなくてもいずれは分かる事だし、大樹の事を慌てて知る必要はない。
もっとも大樹は鬼のような軍人の姿が相応しく、弱々しい姿は似合わない。
ミリアの言うような関係になるのであれば、自身は鬼の相棒として相応しい存在になりたい
ラウラはそう考えていた。

それから二人は官舎に到着し分かれ、部屋に戻り就寝した。

お互いミリアの言う事について考えながら明日の演習に備えた。
もっともテスト機の模擬敵としてではなく、一人の軍人として・・・

そして・・・・・日付は演習当日
西暦2021年3月26日を迎えた・・・・・
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第38話 ミリアと再会

2016-11-03 21:18:51 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【西暦2021年3月25日、惑星エデン ニューエドワーズ基地】

アンサーズ中隊とサポート班を乗せたスター・グースは・・・・
行政区ニューランカスターにあるニューエドワーズ基地の滑走路に着陸をした。

辺り一面は乾燥地帯が故か何もなく・・・・
特に面白味のあるような所ではない・・・・・
唯一の楽しみは竜鳥を眺める事ぐらいと・・・

エーベルト「ようこそ、ニューエドワーズ基地へ。」
新統合宇宙軍エーベルト・ショルツ大佐

桐原少佐「こちらこそ、ショルツ大佐殿」

エーベルト「変人エースの少佐と出会えるとは光栄です。」

桐原少佐「変人エースは余計なんだけどな。」

隊員一同整列し終え、ニューエドワーズ基地の面々と対面し・・・
茂人は隊員の一歩前に出ると基地司令官のショルツ大佐と握手をした。

ショルツ大佐は茂人がVFー1好きで機種転換しなかった変人と知っており
その事を振れ茂人を困惑させるなどのハプニングが起きたが・・・・
最初の馴れ合いは問題なく進んだ。

ラウラからしたら面白くなくつまんなそうにしており・・・・
馴れ合いの最中は眠そうであり、ぼんやりしていた。

ミリア「久しぶりね桐原少佐、いつぶりだったかしら?」

桐原少佐「確か数年前の来店ですかね?」

ミリア「スーパー銭湯ね、あの時は中々いい湯だったわよ。デワントンや子供達は元気?」

桐原少佐「元気すぎて困ってるくらいです。」

続いてはテストパイロットであるミリアとの挨拶を行った。

SDFー1マクロス関係で旧知の間柄であった二人は世間話から始まり
ミリアは茂人の妻であるデワントンや二人の子供達の事を聞くなど・・・・
軍人らしからぬ会話が続いた。

夫でダンシング・スカル隊長のマックスは不在でおらず・・・
昔話で花を咲かそうと思っていた茂人は残念がった。

ミリア「あら?あっちにいるのは・・・・メサーラかしら?」

桐原少佐「メサーラ?」

ミリア「私の部下・・・・って冗談よ、あれはラウラでしょ?」

桐原少佐「・・・・・そのラウラですね、うちに入った新米で・・・・」

会話が進む中、ミリアは眠そうでうとうとしているラウラを見つけた。

最初はラウラの同位体であり、部下であったメサーラと言うボケをかまし
茂人にうとうとと眠そうにしているラウラが本人かどうかを確認した。

確認しラウラ本人だと確認したミリアは・・・・・

ラウラ「痛!!何をするん・・・・あっ」

ミリア「起きろ!キヨラの所のバカ娘!」

眠そうにしているラウラに平手打ちをかました。

この出来事はアンサーズ隊員一同やカゴメ達を驚かせたが・・・
一番驚いたのが、ラウラ本人であった。

いきなり凄い痛みがしたらゼントラーディ軍時代目の敵にし
嫉妬の対象だったミリアがおり、最初は頭が混乱し分けが分からなかったが
混乱から回復するとラウラはミリアに睨み付けた。

ラウラ「あっ!お前はミリア、なんでここに!?」

ミリア「私は新型機のテストパイロットとしてここにいるのよ、風の噂でバルキリーのパイロットになったと聞いたけどまさか私の所に来るなんてね。」

ラウラ「それはそっちのセリフよ!エースのミリアと浮かれたおばさんは!」

ミリア「なっ誰がおばさんですって!歳も変わらないのに、その言葉どこで覚えたのよ!」

平手打ちで起こされたラウラは声を荒くしながらミリアがここにいるのかと問い詰めた。

まさか最初の任務地にミリアがいるとは思ってもおらず ・・・・
それどころか新型機のテストパイロットをやってるなんて・・・・
ラウラは目の前で起きている事が現実であるとは思ってもいなかった。

しかし

これは現実であり・・・・
ミリアは新型機のテストパイロットをしている。

それに・・・・

ミリア「ラウラ・・・・・私はゼントラーディ軍同様貴女の上官よ、私は中尉で貴女の階級は何?」

ラウラ「准尉です・・・・・」

ミリア「そう私より階級が下、地球人の一員になったから上下関係はきっちりしなさい。モーアは私と同階級だから呼び捨てでいいけど、貴女は部下・・・・上官に対する態度じゃないわ!」

ゼントラーディ軍時代と変わらず上下関係はミリアが上である。
あの頃と違った事はゼントラーディ軍時代同様感情的に突っかかる事が出来ない事。

今のラウラは理性のある新統合軍の軍人であり・・・
地球人社会の一員に組み込まれているため、あの頃と同じような真似はできず・・
上官であるミリアに平伏するしかない・・・・・

正直目の敵にしていたミリアに平伏したくはないが・・・

桐原少佐「ベルタリア准尉、軍人なら上官には最低限の敬意は必要だぞ。」

ラウラ「す・・・・・すいません、以後気を付けます。」

ミリア「あら?素直・・・・」

桐原少佐「彼女は根は真面目なので・・・はい」

ミリア「へぇ以外、人の事言えた事じゃないけど変わるもんね。」

基本的に上官の命令は絶対であるので素直に従うしかない。

ラウラの性格は元々そうであり、ゼントラーディ軍人としての精神
そして地球軍人としての精神が叩き込まれており基本的に礼儀正しい。
ゼントラーディ軍時代はキヨラやラプラミズなどに対しては礼儀正しく接していた。

無論、目の敵にしていたミリアからしたら知るはずもなく・・・
礼儀正しい振る舞いをするラウラを見て変わったと感じた。

その後、基地の面々との会話が続いたが・・・・
ミリアがにやっとしてこんな事を言った

ミリア「まぁいいわ、これが終わったら皆様に見せたい物があるわ。」

桐原少佐「見せたい物ですか?」

ミリア「今回の計画の目玉をお見せしますわ」

今回の計画の目玉であるVFーXー10を見せると・・・・

ラウラ達はVFーXー10がどんな物なのか知りたがっていたのか
それを聞いて待っていましたと言わんばかりの表情を浮かべた。

ゼネラル・ギャラクシー社が開発した最新鋭機の可変試作機であり・・・
現在正式採用が有力となっている唯一の機体。
軍事機密の面でメディアの露出がない・・・・
それが見られると言うのは僥倖だ・・・・・

一同は期待に胸を膨らませている中でミリアはショルツ大佐の承諾を得て・・・
VFーXー10が格納されている格納庫へ向かった。

【ニューエドワーズ基地格納庫】

ニューエドワーズ基地内にある格納庫・・・・
格納庫周辺には多数の警備兵や警備車両が展開しており・・・
まさに最高機密の最新鋭機があると言う雰囲気が出ていた。

ラウラは重苦しい雰囲気に圧倒され武者震いなのか・・・
かなり体が震えていた。

カゴメ「ラウラ・・・・体震えているけど大丈夫?」

ラウラ「え・・・・・いや・・・・なんともないよ、大丈夫・・・・・・あはははは」

カゴメ「・・・・・・そう(大丈夫そうに見えないんだけどな)」

武者震いで震えるラウラを見たカゴメは心配したが・・・・
ラウラ本人は体調が悪いわけではないので大丈夫と返答したが・・・
どう見ても大丈夫そうに見えない・・・・

それもそのはず重苦しい雰囲気に圧倒され武者震いしてしまった結果
かなりパニックになり脳がまともに機能していなかった。

それを見たミリアは武者震いしているラウラに近づいた。

ミリア「ラウラ・・・・そんなに緊張しなくてもいいのよ、ただの最新鋭機だから」

ラウラ「ただって・・・・ジーナス中尉はよく言えますね。」

ミリア「機体を信頼できるから言える事よ、ラウラはまだまだ未熟だからまだ早いかしらね」

ラウラ「むっ」

武者震いしているラウラにミリアはただの最新鋭機と言った。

突然のミリアの言葉にラウラは驚きつつ苦言を言ったものの・・・
まだまだ未熟だから機体を信頼できてないと言われてしまった。

当然の事ながらラウラはむっとしたが・・・・
よくよく考えて見れば可変戦闘機パイロットとしての人生は浅く・・・・
自身の愛機であるVFー1Pフレイヤバルキリーとの関係も浅いし・・・・
愛機に対しそこまでの愛情がない。

その事もあってか・・・ミリアの言葉に反論できなかった。

格納庫内に入ると警備兵とゼネラル・ギャラクシーの社員を引き連れた男が近づいてきた

ラウラやロザなどのゼントラーディ人隊員達は・・・・・
近づいてきた男が一目見ただけで同胞だと分かった。

その男はVFーXー10の開発者であるゼントラーディ人技師のアルガス。

アルガスはアンサーズの隊員がゼントラーディ人複数人いると聞いて・・・
わくわくしながら出向いてきたのだ。

アルガス「やぁ私はゼネラル・ギャラクシーの技師のアルガス・セルザーです。」

桐原少佐「新統合宇宙軍SVFー64アンサーズの桐原茂人予備役少佐です。」

アルガス「第一次星間大戦から戦後にかけての少佐の噂は伺っております。私の作品は嫌いですか?」

桐原少佐「嫌いではないですけども私はVFー1バルキリーに愛情が強いだけで・・・・」

アルガス「なるほど!」

まず最初は茂人とアルガスの挨拶から始まった。

アルガスは茂人に自身の作品が嫌いですかと質問すると・・・・
茂人は嫌いではないしVFー1に対する愛情が強いだけど答えた。

返答を聞いたアルガスは茂人はVFー1に対する信頼が強いと捉え満足そうな笑みを浮かべた。

ラウラ「なるほどね・・・・・・」

吉野大樹「何がなるほどね・・・・なんだラウラ?」

ラウラ「えっ・・・・なんでもない」

吉野大樹「?そうか?」

二人のやり取りを見てラウラは気がついた。

機体に対する信頼・・・・・
それは激しい戦場を共に生き抜いた戦友である事・・・
愛機は兵器であるが、人間同様戦地で無くてはならない存在である。

それがあるからこそあの絶望的な先の大戦を生き延びたんだ・・・

と・・・・ラウラは心の中で変な感想を抱いていた・・・・
もっとも先の大戦における地球統合側の辛勝の要因とは違うが・・・・

ロザ「なんか不思議な機影ね・・・・・なんか私達がゼントラーディ軍時代に乗っていた機体達に似た雰囲気がある・・・・」

アルガス「うむそれもそのはず、私が設計開発した機体であるからね。」

神楽少尉「そう言えばさっき言ってましたね。」

アルガス「まぁ同じゼントランの同胞が親しみやすく乗りやすいように私なりにゼントランの技術を積極的に取り入れたからね。」

VFーX-10改を見ていたロザはゼントラーディ軍の機体に似た雰囲気があると指摘すると
アルガスはゼントラーディの技術を積極的に採用したと言った。

まだまだ可変戦闘機に慣れていないゼントラーディ人が多く・・・
不満の声を上げる者が結構おり、ゼントラーディ人でも扱いやすい機体が要望されていた

そんな要望を取り入れるべく・・・
同じゼントラーディ人でありエースであるミリアをテストパイロットとして招集し・・・
ゼントラーディで使えそうな技術を集め集約し導入した。

ミリア「最高な機体よ、これぞゼントラーディのバルキリーね」

VFーXー10の性能はミリアがこれぞゼントラーディのバルキリーと絶賛する程で・・
実際のゼントラーディ人

更に言えば機体の小型化させる為に各パーツの配置はかなり独特になっており
複雑に折り畳まれ折り紙のように胸部装甲を構成するのが特徴である事から
オリガミファイターとアルガス達は呼んでいた。

そうした事からミリアによるテストが順調に進んでいたが・・・・
まだ実戦的な試験が行われていない

今回ラウラ達が呼ばれた目的は・・・・

ミリア「今までは私が操縦テストしていたけど、まだ演習テストは行われていないわ」

桐原少佐「そのために我々を呼んだと?」

ミリア「そうよ、桐原少佐が優秀なパイロットを集めた教導隊機能を持つ飛行隊を編成したと聞いて私のいい相手役になってもらうと考えたわ・・・・それに・・・」

桐原少佐「それに?」

ミリア「ん・・・・なんでもないわ、明日から模擬戦に入るからよろしくね。」

VFーXー10の実戦的な演習が行われていない事・・・・・

とは言え基地飛行隊がミリア相手に模擬戦を行っているのだが・・・・
毎回ミリアが完勝する結果になっており、満足のいく結果が出ていない。

ミリア本人も満足してはおらず・・・
もう少し腕の立つ部隊でなければ意味がないと上層部に対し訴えており・・・
訴えた結果、白川提督が名乗りをあげアンサーズ中隊を派遣する事が決定した。

しばらく茂人とミリアらとの会話が続いた後整列して敬礼し解散となった。

解散になりラウラは隊員らと共に指定された官舎の方へ向かおうとすると・・
後ろから近づいてきたミリアに呼び止められた。

ラウラ「何?」

ミリア「ラウラ・・・・明日の演習楽しみね・・・演習なら本気であの頃の鬱憤晴らせるわよ。」

ラウラ「えっ・・・・・!?」

ミリア「私のことを目の敵にしていたでしょ、明日思う存分私と戦えるわよ。」

ラウラ「何が言いたいミリア・・・ミリア1級空士長・・・・・」

ミリア「それ以上は秘密よ、まぁ明日になれば分かるわ。私もラウラ3級空士長と戦える事が楽しみだわ。」

明日の演習、ゼントラーディ軍時代の鬱憤を晴らせる・・・・・
ラウラを呼び止めたミリアが言った言葉だった・・・・

ゼントラーディ軍時代にミリアを目の敵にしていたラウラからしたら衝撃的な言葉であり
心の中で何か熱くなるのを感じた・・・・・
願ってもない好機であると言う事・・・・・・

もっと聞きたい事があるがミリアは明日になれば分かると言った・・・・・

明日になれ分かる・・・・・・・
一体どんな意味が・・・・妙に突っかかる言葉にラウラは困惑した・・・
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