【西暦2021年5月5日 基地兵舎】
ラウラは基地へ帰宅した後、自分の部屋に戻り就寝した。
しかし、ぐっすり眠れるような内容な夢ではなかった。
強いて言えば悪夢である・・・・・・・・・・
「この裏切り者がぁぁぁぁぁぁぁ。」
「なぜ貴様は同胞を裏切る?、なぜマイクローンに味方する?答えろ、ラウラ・ベルタリアぁぁぁぁぁ」
はぐれゼントラーディ軍との戦闘で浴びせられた同胞の叫び。
軍上層部からの命令で数多くの同胞と交戦した。
はぐれゼントラーディ軍艦隊と言ってもかつてのボドル基幹艦隊の兵士。
ラウラからすれば、かつての仲間・・・・・・・・・
ラウラは躊躇する事なく、はぐれゼントラーディと言う名の同胞を10年間殺し続けた。
かつての仲間だからって遠慮する事はない、撃たなければ自分が死ぬ・・・・・・
戦争だからしょうがない・・・・・・・・
「ラウラ・・・・・私には勝てない、むしろ私は単体では決して最強じゃない。後は自分で考えなさい。ラウラ・ベルタリア。」
次はミリアの言葉だ・・・・・・・・
この言葉の意味が出来ずに夢として出てきたのだろう。
自分自身の心はこの意味を知りたいのだろうか?
グギャァァァァン
突然場面に現れたグラージ・・・・・・・・
ラウラに向けて急接近する・・・
そして自分の機体に向けて腕を殴りつける・・・・・・・
バタッ
突然、起き上がるラウラ・・・・・・・
起きた時のラウラの息遣いが荒い。
ロザは起きてなかったようであったが・・・・・今のラウラの様子は明らかに他人に心配されるような様子である。
ラウラ「夢か・・・嫌な夢だな。」
起床ラッパが鳴り始めた、兵士達が一斉に起きだしてきた。
ラウラはロザと共に部屋を出る。
ロザはベレー帽を被るのを忘れたので部屋に戻る。
全員帽子を被らないと整列しても取りに行かされたあげくビンタされる。
当然ながらラウラは新統合軍の制服を着ている。
きちんとスカートや上着などを着てでの出勤である。
劉夢華「ザオ・ア(中国語でおはよう)」
ラウラ「ザオ・ア」
中国語で挨拶をする夢華に対しラウラも中国語で返答する。
何時も通りの朝とおもいきや・・・・・・・・・
劉夢華「ベルタリア准尉、早いじゃない。」
ラウラ「うん・・・・軍人だからね・・・・・・・」
劉夢華「それはそうだね(笑)」
軍人の朝は早い。
新統合軍軍人の起床時間は午前6時。
集合時間はその10分後である。
ラウラ「うっ・・・・・・・」
ラウラは早起きと昨日飲んだためか気分が悪い。
表情はあんまりよろしくない。
いつか吐きそうな感じである。
劉夢華「うん?どうしたの?顔色悪いよ?まさか昨日吉野大尉と食事した際に、お酒飲んで二日酔いしたんでしょ?」
ラウラが顔色が悪い事を心配した夢華は質問をする。
表情的にも二日酔いだと分かる。
ラウラ「私は下戸よ、酒は飲めないわ。」
嘘だ・・・・・・・
ラウラは昨日ガンガン酒を飲んでいた。
そこの記憶は消えてしまったと思われる。
劉夢華「じゃあ原因は?メディックでも・・・」
夢華はメディックに容態を見てもらうように勧めようとする。
軍人は健康第1である。
ラウラ「別にいいって・・・・・・・・」
ラウラはメディックに容態を見てもらう事を断る。
医者と言うものが苦手であり、見てもらうのは正直いやだそうだ。
このくらいはかすり傷程度・・・・・・・・
ラウラ「それより夢華は格闘家でしょ手合わせしてくれないかな?」
ラウラは夢華に格闘技の技術を教え込んでもらおうと夢華に頼む。
実は夢華は中国拳法の使い手であり、警務隊時代から一時訓練教官になるなど優秀な格納技能の持ち主である。
劉夢華「顔色悪いのに?」
ラウラの顔は明らかに悪い。
ーこれで格闘技をやろうとは無謀だ・・・・・・・・
夢華はラウラの無謀さには驚く。
ラウラ「お願いします。」
ラウラはキッチリ頭を下げる。
どうしても格闘技を習いたいようらしい・・・・・
それくらいの覚悟はあるのだろう。
劉夢華「まぁ本人がいいなら、やってあげるけど。」
夢華もラウラの覚悟を認め格闘技を教える事を了承する。
それを聞いたラウラは笑顔になりありがとうと言う。
ロザ「遅れてすいません。」
ロザが合流してきたベレー帽をキチンと被っている。
当然軍服の襟元もきちんと整えている。
ロザ「のんびり喋っている暇はありませんよ、朝礼に送れます。」
ラウラ「あっそうだ。」
僅か5分で滑走路に集結しないといけない。
残り時間は2分。
ラウラと夢華とロザは滑走路へ急ぐ。
なんとか間に合い列に加わる。
2列で基地警備部隊を除く全員が整列している。
総員四列縦隊、左向け左
ザ ザッ
ゴメス司令の前で整列する新統合軍将兵。
いつものように挨拶をし司令の話を聞かされる。
幸い服装の乱れや忘れ物はない。
「以上解散」
週直の解散の号令により今日の朝礼は終わる。
今日はあっさり終わったようである。
この朝礼の後は朝食を取る。
基地の職員と共に食事を取りに行くため食堂へ向かう。