奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

住まい造りに大切な暮らしの空間と過ごし方の趣に色彩心理×素材×機能性を意識しつつ壁紙・クロスで空間が劇的に変わるという事、過ごし方の価値観からインテリアコーディネートの効能提案設計。

2025年01月31日 | 設計の事デザインの事

部屋全体の仕上がりと

過ごし方をイメージして

壁紙を選ぶということ。

※インテリアイメージ提案CG事例・設計+インテリアコーディネートイメージ提案

 

間取りや広さ、

そして家具の配置は同じでも、

壁紙・クロスの素材感や

色・模様の選び方によって、

部屋で過ごすときの

心地よさやインテリアとしての

魅力は大きく変わります。

 

壁紙というのは

表面的な装飾要素だけでなく、

暮らしのムードや

空気感そのものを

決定づける重要な存在です。

 

家づくりを計画中の方や、

部屋のリノベーションや

模様替えを考えている方にとって、

「壁紙でどのように部屋を仕上げられるか?」

は大きなテーマと言えるかと思まます。

 

別途、ホームページをご覧になられた方から

インテリアのご相談を

受ける事も多いので

参考に

壁紙・クロス選びのポイントを

トータルな空間デザインと

色彩心理”の観点から

少し書いてみたいと思います。

 

日々の暮らしを

イメージしながら

部屋の雰囲気を

どのように仕上げていくか、

その具体的な

アプローチをご検討ください。

 

家具や家電、照明、

そして家族の

ライフスタイルや趣味との

統合的な調和を考えながら

壁紙を選ぶことで、

住まいの個性を際立たせ、

日々の暮らしを

より豊かに味わうことが出来ます。

 

色や質感の組み合わせがもたらす

奥深い魅力を丁寧に・・・・・。

 

壁紙を選ぶ意味と重要性、

壁紙の役割は「見た目」だけではない。

壁紙(クロス)は、

部屋の印象を

左右する大きな要素として

知られています。

 

一見すると

「色や柄を決めるだけ」のように

思えますが、

実は壁紙の役割は

それ以上に多岐にわたります。

 

たとえば、

遮音性や断熱性を

高める効果のある

機能性クロスもあれば、

汚れや傷に強い素材を使った

メンテナンス性に配慮したもの、

あるいは湿度調整が

期待できるような

素材を使ったものなど、

機能面でも実は

多様な選択肢が存在します。

 

さらにデザイン面においても、

壁紙は

部屋の雰囲気を左右する

最大のファクターです。

 

床材や天井材、

家具、カーテンなどと比較しても、

「視界に入る面積」が

最も大きい場合がほとんど。

 

そのため、

壁紙がもたらす色彩や

テクスチャの影響は計り知れません。

 

心が落ち着くかどうか、

部屋が広く見えるかどうか、

部屋に入った瞬間に

「どのような気持ちになるのか」

そういった感覚の多くは

壁紙の質感や色彩が

主導しています。

 

快適な住空間をつくるうえでの

「壁紙・クロス選び」の要点。

空間のバランスを考える・・・・・。

 

壁紙単体で見ると

素敵に思えても、

実際の部屋に貼ったときに

床材やカーテン、

家具などとのバランスが

崩れてしまうことがあります。

 

部屋全体を俯瞰し、

トータルコーディネートを

念頭に置いた色や柄、

素材感を選ぶことが大切です。

 

ライフスタイルを考慮する。

小さなお子さんや

ペットがいる家庭では、

汚れの程度や

掃除のしやすさも重要です。

 

家族構成や趣味、

部屋の使い方を踏まえて、

最適な機能や

耐久性のあるクロスを

選定する事が大切です。

 

色彩心理を理解する。

室内の色には

心理的効果があります。

 

落ち着きを求める空間には

寒色系や中性色系を、

元気で明るい

雰囲気をつくりたい空間には

暖色系を選ぶなど、

色彩の持つ作用を活かすと、

部屋が見違えるように

居心地のよい空間に仕上がります。

 

実際にサンプルを取り寄せる

施工例を見る・・・・・。

 

カタログやWebの

画像だけで判断すると、

実際の色味や

質感にギャップが

生まれやすいものです。

 

サンプルを取り寄せたり

ショールームに足を運んだりして、

実物を確認することが重要です。

その際には外からの光の影響や

床の色反射、

照明の影響も視野に・・・。

 

壁紙の素材感と色

模様がもたらす空間演出。

素材感の重要性。

 

壁紙には紙、

ビニール、布、不織布、

珪藻土クロスなど、

さまざまな素材があります。

 

素材が異なると、

手触りだけでなく

光の反射率や

質感が大きく変わるため、

部屋の雰囲気が

大きく左右されます。

 

たとえばビニールクロスは

リーズナブルで耐久性に優れ、

水拭きなどの

メンテナンスもしやすいため、

一般的な住宅では

最もポピュラー。

 

一方、

織物クロスや和紙クロスは、

独特の風合いや

高級感を演出でき、

和モダンやナチュラルテイストの空間に。

 

ビニールクロス:コストを抑えつつ

豊富なデザインが選べる。

キッチンや水まわりに使いやすい。

 

織物クロス(布クロス)

高級感や重厚感があり、

クラシカルにもモダンにも対応。

 

紙クロス:自然素材ゆえの温かみや、

エコロジー志向の方からの

人気が高い。

 

不織布クロス:下地の影響を

受けにくく、

施工がしやすい。

 

珪藻土・漆喰系クロス

調湿機能や

消臭機能が期待でき、

自然素材テイストの

部屋づくりに最適。

 

素材を選ぶ際は、

デザイン性やコストだけでなく、

部屋での過ごし方や

求める機能性も

考え合わせることも重要です。

 

色が与える

心理効果と空間への影響。

 

色には大きく分けて

4つの系統があります。

「暖色系」

「寒色系」

「中性色系」

「無彩色系」です。

 

暖色系(赤・オレンジ・黄など)

活気やエネルギーを与える色。

空間を狭く感じさせる

効果があるため、

広いリビングや

ダイニングのアクセントカラーに

取り入れると

視覚的に落ち着いた広さを

確保しながらも

元気な雰囲気を演出できます。

 

逆に寝室や書斎など

落ち着きを重視する空間には

使い方に配慮が必要。

 

寒色系(青・緑・紫など)。

クールダウンさせ、

落ち着きや

リラックス効果をもたらす色。

 

空間を広く感じさせる

傾向があります。

 

例えば寝室や書斎に

寒色系を使うと

集中力や睡眠の質向上に

寄与するケースが多い一方、

全面的に暗い寒色を使うと

部屋が冷たく

寂しい印象になるため、

照明やアクセント小物で

バランスを取ることが大事です。

 

中性色系(緑・紫)。

暖色・寒色両方の要素を

併せ持つ色で、

穏やかでバランスの良い

空間演出に向いています。

 

グリーンやラベンダーを

さりげなく取り入れることで

ナチュラルで

落ち着いた雰囲気を

つくる事ができます。

 

無彩色系(白・グレー・黒など)。

他の色を引き立てつつ、

洗練されたモダンな

印象を与えやすいグループです。

 

白は清潔感と開放感、

グレーは都会的で

クールな洗練感、

黒は高級感と

重厚感を演出します。

 

無彩色系は

合わせる家具や小物の色を

選ばない反面、

単調になりがちなため、

アクセントカラーの

配置など

デザインの工夫が必要となります。

 

柄・模様がもたらすテイストの変化。

壁紙には無地のほか、

ストライプやフラワーパターン、

ジオメトリック柄、

ボタニカル柄、

ダマスク柄など

多種多様な模様があります。

 

柄を活かすことで

一気に部屋に対して

アクセントを

加えることができますが、

取り入れ方には

暮らし方による配慮が必要です。

 

ストライプ柄。

縦ストライプなら

天井が高く感じられ、

横ストライプなら

奥行きや広がりを感じさせるなど、

部屋の寸法感に影響を与えます。

 

フラワー柄・ボタニカル柄。

優しく華やかな印象になり、

フェミニンなテイストを

取り入れやすい。

 

ただし大柄過ぎると

空間が狭く感じたり、

子どもっぽく見えすぎる

リスクもあります。

 

ジオメトリック柄。

幾何学模様による

シャープさやモダンさを演出。

シンプルなモノトーン配色で

大人っぽくまとめると

スタイリッシュな空間となります。

 

ダマスク柄:クラシカルかつ

高級感のある模様。

リビングや寝室の

アクセントウォールとしても

人気が高い柄です。

 

模様の選択次第で

部屋全体のテーマが

ガラリと変化しますので、

家具や照明と合わせた

「統一感ある世界観」を意識するように。

 

トーン(明度・彩度)を使い分ける

色自体が同じでも、

明度や彩度が違えば

印象はまるで変わります。

 

光沢のある

明度高めのクロスは部屋を広く、

軽やかに見せますし、

彩度が低く深みのある色は

空間を引き締めて

落ち着きや重厚感をプラスします。

  • 明度が高い色:開放的・軽快・清潔感
  • 明度が低い色:落ち着き・高級感・重厚感
  • 彩度が高い色:元気・若々しさ・明快なイメージ
  • 彩度が低い色:シック・大人っぽさ・抑制された上品さ

部屋のテイストや目的に合わせて、

トーンをコントロールすることで

過ごしやすさも印象も

充実しやすくなります。

 

家具や床材の色合いに

統一感を持たせるために、

まずは大きな面積を占める

床・壁・天井のトーンを揃えた上で、

アクセントや小物で

トーンの異なる色を差し込むと、

一気に空間が上質に変化します。

 

家具や照明とのトータルコーディネート

家具との色合わせ

壁紙選びをするときに

見落としがちなのが、

家具との「色合わせ」。

 

壁の色と床の色、

そして大型家具、

ソファ、ダイニングテーブル、

収納家具などの色味がバラバラだと、

どんなに素敵な色や模様の

クロスを選んでも

部屋がちぐはぐに見えてしまいます。

 

統一感のあるベースカラー。

部屋全体で

3色程度のカラーパレットを設定し、

壁や床、家具、

小物などの色をそれに

沿わせるとまとまりやすくなります。

 

素材感の連動:木材の質感や

ファブリックのトーンなど、

素材感でも統一感を持たせると

洗練された印象に。

 

照明との相乗効果。

照明の色温度

(電球色・昼白色・昼光色など)や

照度(明るさ)も、

壁紙の色を「どのように見せるか」に

大きく影響します。

 

たとえば電球色の

照明下では黄みが強調されるため、

ベージュ系やブラウン系の壁紙は

より温かみのある雰囲気に。

 

逆に昼白色のクールな照明では

青みや白みが強調されるので、

グレー系や寒色系の壁紙が

クリーンで洗練された印象を

引き出せます。

 

いずれもスポットライトや

間接照明と組み合わせることで、

壁紙の凹凸や素材感を

ドラマチックに演出することも

可能です。

 

特に木目や

石目の別素材仕上げと

組み合わせる事で、

光と影のコントラストが生み出す

表情が魅力的に変化します。

 

照明の配置にもこだわると

より充実した深みのある

空間が完成します。

 

壁紙の素材感や色、

模様は、部屋の「雰囲気」や

「過ごしやすさ」を

ダイレクトに左右する

非常に重要な要素です。

 

間取りが同じでも、

壁紙選びによって

暮らしの心地や

生活シーンの魅力は

大きく変わってきます。

 

暖色系・寒色系・中性色系

無彩色系など色の特徴を考えて、

部屋の用途やライフスタイル、

照明条件に合わせて

最適なカラーや素材感を選ぶことが

ポイントです。

 

そして家具やカーテン、

床材との

トータルコーディネートを

意識することで、

より完成度の高い

心地よさが充実する

空間を演出できます。

 

家づくりを予定している方はもちろん、

既にお住まいの住まい手にとっても、

壁紙の張り替えや

部分的な貼り替えは

大きな気分転換になります。

 

ぜひ、

部屋の仕上がりをイメージしながら、

素材感や色・模様を

検討してみてください。

 

それぞれの暮らしに

過ごしやすさのある空間を

考えた時に

室内の基礎空間は

インテリアの基盤であり、

上手に選ぶと

家具や雑貨がもっと生きてくる

ということです。

 

壁紙選びは「単に好みの色を選ぶ」のではなく、

空間の使い方や目的をイメージし、

家具や床・照明などと

バランスを取りながら

最適なトーンや質感、

機能を選び取る行為です。

 

そのポイントをイメージすることで、

部屋はただ過ごすだけの

場所ではなく、

その状況に応じて

心からリラックスし、

豊かな気持ちになる空間へと

仕上がります。

ぜひこの機会に、

壁紙・クロスを通じて

空間全体のデザインをイメージして、

暮らしの味わいを

より深く楽しんでみてください。

 

暮らしの趣を

イメージする時間を大切に。

 

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やまぐち建築設計室
 建築家 山口哲央
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
https://www.y-kenchiku.jp/
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