最近ヌックについても
ホームページから
ご質問をいただく事があります。
※LDK・小上がりスペースの奥に設けたヌック(DEN)
間取りに取り入れる方法と
計画する際のポイントについて
少しこのブログでも
書いてみたいと思います。
※LDK・小上がりスペースの奥に設けたヌック(DEN)
ヌックとは、
家の中につくる「ひとりの時間」を
楽しめる空間です。
※二階ホールに設けたアルコーブをイメージしたヌック(DEN)
ある種のDENのような空間。
注文住宅の家づくりでも、
ヌックを間取りに
取り入れたいと
考える人が増えています。
※二階の広いホールデザインですが、収納扉のある窓付近の3帖分はヌックです。
居心地の良い「おこもり空間」を設けて、
家で過ごす時間が
充実するように。
ヌックとは小さな落ち着ける場所の事です。
元は、
スコットランド語の『Neuk(ヌーク)』が
語源と言われています。
Neuk(ヌーク)は、
暖炉の脇に作られた
腰掛けのことで、
温かくて心地良いスペースを指します。
現代のヌックは、
部屋の一角やデッドスペースなどを
利用してつくられて、
ヌークと同様に
ホッとくつろげる空間。
個室のように
扉や壁で仕切らずに、
段差を設けたり、
素材を変えたり、
アルコーブのようにくぼみをつくったりして、
ゆるやかにゾーニングされています。
広さは、計画する内容や
間取りにもよりますが
1~3畳程度あれば設置できます。
用途は、
読書スペースや
遊び場など様々で、
家の中での「隠れ家」のように空間。
小上がりなどのケースもあります。
ヌックを間取りに取り入れると
どんなメリットがあるのか?
それをメリットと
感じるのかどうかもありますが
プライベート空間が生まれるヌックは、
閉塞感のない
プライベート空間です。
完全な個室ではないので、
家族の存在を近くに感じながら、
自分だけの時間を
過ごすことが出来ます。
家族の団らんや
つながりも大切にしつつ、
ひとりの時間も
楽しみたい人にぴったりです。
小さなスペースにも計画ができるので、
狭い場所や
天井が低い場所にも
設ける事が出来ます。
秘密基地のような空間は、
子供でも大人でも
ワクワク感もあり
つい入りたくなってしまうかも知れません。
部屋の隅等と同じく
狭いからこそ落ち着ける
という空間です。
ヌックは様々な用途に
利用できることも魅力です。
例えば、お子さんが小さいうちは
遊び場や秘密基地として、
大きくなったら
読書スペースとして使うなど、
フレキシブルに活用ができます。
造り付けのデスクを設置すれば、
勉強スペースや
ワークスペースとしても利用できます。
間取りに取り入れる際のデメリット。
部屋の面積や
収納スペースが減るという事。
間取りにヌックスペースを確保すると、
部屋の面積や
収納スペースが減る事もあります。
ヌックは、
デッドスペースの活用には
とても有効です。
しかし、
プランの際は優先順位を
確認しておく必要があります。
活用されない事も
あるかも知れないスペースを
用途を決めずに
なんとなく計画してしまうと、
活用されずに
後悔につながることがあります。
狭すぎたり、
寒かったり、
暗すぎたり、
居心地の悪さから
使わなくなってしまう
場合もあるでしょうから
間取りの中でどのような空間として
計画するべきなのかを
考えることが出来る設計が重要です。
費用がかかるという事。
居心地の良い空間をつくる為には、
どうしても費用がかかります。
小上がりにしたり、
棚やデスクを付けたり、
照明や空調などの
設備を追加したりと
工事費用が必要になります。
仕上げ材や広さによっても変わるので、
予算に合わせた仕様を
きちんと把握する事が重要です。
ヌックを間取りに取り入れる方法。
リビングの一角に
ヌックを設けることで、
家族の団らんスペースの近くに、
プライベート空間を
計画する事ができます。
個室のように
完全にシャットアウトせずに、
家族とのつながりや
気配を感じながら、
ほどよい距離感を保つイメージ。
それぞれが
好きなことをしながらも、
同じ部屋の中で
ゆったりと過ごす。
畳スペースにすると、
ゴロッと横になってくつろいだり、
キッズスペースにしたりと
活用の幅も広がります。
階段下はデッドスペースに
なりがちな場所です。
トイレや収納として使うほか、
ヌックとして活用するのも
オススメです。
※リビング階段下を利用したヌック(書斎スペース・家事スぺース等に利用)
特に、
リビング階段の下は
ヌックにピッタリです。
※リビング階段下を利用したヌック(書斎スペース・家事スぺース等に利用)
天井に勾配があることで、
壁で仕切られていなくても
「おこもり」感が出ます。
ワークスペースや勉強、
読書スペースとしての利用などにも
向いています。
窓辺での計画。
出窓や窓辺を利用したヌックは、
明るく開放感があります。
窓辺にベンチを造作すると、
日当たりも良く、
ポカポカと居心地の良いコーナーに
仕上がります。
壁紙の種類を変えたり、
垂れ壁を付けたりして、
間取りをゆるやかに
区切るのがポイントです。
ベンチの下は収納にできるため、
収納量の確保にも有効です。
壁の奥にこもる部分を設ける。
壁にくぼみをつくり、
アルコーブのような状態にして
ヌックとして使用する方法もあります。
2階の廊下。
階段を上った、
2階の廊下にヌックを計画する事も
オススメです。
本棚を置いて
リーディングヌックにすれば、
漫画、雑誌などを
家族で共有し、
漫画喫茶や図書館のような気分が
味わえます。
本が手に取りやすい場所にあれば、
お子さんの
読書習慣づけにもなります。
ダウンライトや
スポットライトを取り付けておけば、
夜もゆったりと読書を楽しめます。
寝室に行く前に、
ひとときのリラックスタイムを
過ごす場所としても良いかと思います。
ヌックを計画する際のポイントでは
照明で雰囲気づくりも考える事。
間取りに
ヌックを取り入れるなら、
照明を使った
雰囲気づくりも大切です。
照明の色が持つイメージを利用し、
居心地が良く、
落ち着ける空間を演出して下さい。
光の色は、
蛍光灯のような青白い色よりも、
温かみがあり、
オレンジがかった
電球色や温白色が適しています。
※LDK照明だと調光調色タイプ。
またペンダントライトや、
間接照明などを取り入れ、
光の位置を低くすることでも、
ムーディーな
雰囲気になります。
そういう工夫を盛り込む事で
夜寝る前や
落ち着いた気持ちで
過ごしたい時にピッタリな
お気に入りの場所になると思います。
しかし、
オレンジ色の光は、
長時間の読書には向いていません。
リーディングヌックにする場合は、
先の注意書きにも書いたような
調光調色の出来るタイプの照明か
別途スポットライトや
デスクライトを使い、
手元が暗くならないように
工夫する事もお勧めです。
ヌックを間取りに取り入れるメリットには、
閉塞感のない
プライベート空間を計画する事が出来たり
デッドスペースが
活用できることなどがあります。
間取りに居心地の良い
少し特別な空間を設けて、
家で過ごす時間を
もう一歩深く考えてみる事も
居心地の充実化を
図る事に繋がると思います。
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