奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

暮らしの趣を考える天井高さの設計デザイン提案、暮らしやすさや心地良さを考えつつ開放感・落ち着き・省エネ、いろいろな側面がある空間の構成要素に天井の効能を。

2025年02月26日 | 設計の事デザインの事

住宅設計の勘所にも

いろいろな要素があります。

人それぞれの暮らしやすさや

心地よさの定義が異なるように

空間の定義にも様々な観点があります。

※吹抜けと低い天井を組み合わせたLDKイメージ提案事例図

 

天井を低くしたり高くしたり

どのような天井高さを検討するのか、

計画するべきなかという事でも

快適な空間づくりの工夫についても

大きく暮らしを変化させる

要素が存在しています。

 

天井の高さを

どのように決めるのか・・・。

※吹抜けは計画せずに2200㎜の天井高さと2350㎜の天井高さを組み合わせた折り上げ天井のイメージ提案事例

 

家づくりを考える際、

天井は高いほうが開放的で良い

と思う方も

多いかもしれません。

 

しかし、

すべての空間で

天井を高くするのが

最適とは限りません。

 

空間の用途や

心理的な快適性を考えると、

えて天井を

低めに計画することで

落ち着きのある住まいが

実現できることもあります。

 

天井を低めに計画する

メリットや、

圧迫感を感じさせない工夫を

少し書いてみたいと思います。

 

住宅における天井高さの基本。

日本の建築基準法では、

居室の天井高さは

最低2100mm(2.1m)以上と

定められています。

※小屋裏等(居室)に該当しない場合は2100未満で問題はありません。

一般的な住宅では、

以下のような

天井高さが

採用されることが多いです。

 

2100mm(最低基準)は

コンパクトな設計向き


2300mm~2400mm(一般的)は

標準的な住宅で多い高さ。

 

2600mm以上(高天井)は

比較的広い家や意図的に天井高さを

確保したい場合。

開放感があるが、

掃除面や照明計画、

設備計画に

イレギュラーが起こる事も

想定が大切。

 

この中でも多いのは、

できるだけ高くしたほうが良い

とおい意見ですが、

実は天井を

低く計画することには

多くのメリットがあります。

※個人差によるパーソナルエリアの意識も考慮しておく必要性があります

 

天井を低く計画するメリットとは?。

 落ち着きと

安心感のある空間をつくる。

 

広々とした空間は

開放感がある一方で、

理的には

落ち着かないと

感じることもあります。

 

例えば、

広い空間というよりは

こたつの隅と部屋の隅は

安心感があるという経験はありませんか?

 

これは、

人間が適度な囲まれ感を

求める傾向があるためです。

 

住宅でも、

リビングや寝室などの

リラックス空間では、

天井を低めに

計画することで「包まれる」ような

安心感を得られる

場合があります。

 

省エネ&コスト削減につながる。

天井を低くすると、

家全体の「階高(かいだか)」も抑えられます。

階高が低くなることで、

以下のようなメリットが

生まれます。

 

室内の体積が減る事で

冷暖房効率が向上し、

光熱費を節約・・・・・。

 

外壁や断熱材の使用量が減る事で

建築コストが

削減できる・・・・。

 

階段の段数が減ることで

上り下りが楽になる。

 

天井の高さを調整することは

以外にも

そういう意味で

ライフプランにも関係します。

 

外観のバランスが良くなる。

建物全体の

バランスを考えたとき、

各部屋の天井が高すぎると

縦長のプロポーションになり、

不安定な印象を

与えることがあります。

 

逆に、

横の広がりを意識した

デザインのほうが

美しく、

落ち着いた印象に

なることが多いです。

 

圧迫感を

感じさせない工夫・・・・・。

部屋の天井高さの

変化を活用する。

 

すべての空間の天井を

低くするのではなく、

部屋の中に

部分的にでも

吹き抜けをつくることで、

開放感と落ち着きを

両立できます。

 

例えば、

リビングは天井を低めにして、

その先に

吹き抜けを設けることで、

視線が自然と抜けるため、

実際の天井高さ以上の

広がりを感じることが

できます。

 

照明の配置を工夫する。

天井が低いと感じる

原因のひとつに、

天井の存在が

強調される

照明配置があります。

 

そのため、

以下のような工夫をすると、

天井の低さを

意識しにくくなります。

 

ペンダントライトを

低めに設置。

天井の高さを気にさせない。

 

間接照明を活用 。

壁を照らすことで

奥行きを演出。

 

壁付け照明を採用。

天井に光源を

つけないことで

圧迫感を軽減。

 

窓の配置を工夫する。

天井高さと

同じくらい重要なのが、

窓の配置とサイズです。

 

例えば、

天井いっぱいまでの

掃き出し窓(テラス窓)を

採用すると、

目線が外へ抜け、

空間が広く感じられます。

 

また、

窓の上に「垂れ壁(たれかべ)」を

つくらないことで、

壁と天井の境目

意識しにくくなり、

開放感が生まれるという

効果もあります。

※ハイドアの効能もそういったところです。

 

天井の高さは

空間ごとに調整するのがベスト。

住宅全体で

一律に天井を高くするのではなく、

空間の用途や目的に応じて

高さを調整することが重要です。

 

例えば・・・・・。

リビング→適度に抑えつつ、

ソファの高さを吟味し

一部を吹き抜けにして開放感を演出。


寝室→低めの天井で

包まれるような落ち着きを演出。


キッチン→家具や設備の高さに合わせ、

無駄なスペースをなくす。

 

廊下や玄関→天井を低くすることで

メリハリをつけ、

リビングをより広く感じさせる。

 

このように、

天井高さのバランスを

調整することで、

快適な住空間が実現できます。

 

天井を低めに計画する

メリットとデメリットを意識して

ご自身の生活にとしては、

どちらのほうが

より魅力的な暮らしになるのか?。

 

天井は高いほうがいい

という固定観念にとらわれず、

空間ごとに

適した高さを選ぶことで、

より快適で心地よい

住まいを実現することに近づきます。

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。

暮らしの意識と時間を丁寧に。

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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