

ヘルペスはいろんな顔を持っている。子どもでも、顔にいっぱい出来ていて、皮膚科で湿疹の薬をもらい、それで1ヶ月以上経つのにどうしても治らなくて、ヘルペスの治療をしたら、嘘の様に治った例が1つや2つでない。子どもと一緒に来た大人で、頭に頑固なはっきりなしない感じの発疹があって、頭痛もあり、化膿止めやかぶれの薬を付けても治らず、ヘルペスの治療をしたらスパッと治癒した例が。
麻疹の時に、歯肉にアフタが出来ていたので、一見ヘルペスのアフタに見えたが、これは麻疹によるものだった。大家族でなくなった為か、小さい時にヘルペス感染になることが少なくなって、大きくなってヘルペスの初感染になると、歯肉が真っ赤になって歯肉から出血して熱も1週間近く続くヘルペス性歯肉口内炎の例をしばしば経験している。ヘルペス脳炎の為にけいれんで来院して、不幸にして亡くなった例も経験している。
私の治療は、ヘルペスで水泡が著明な時は、迷わず五苓散を処方している。よく効くことが多く、これで入院の例が少なくなった気がしている。もちろん、ヘルペスの特効薬も一緒に処方する。小さな子どもの場合は1日で変化が出る。迷った時は1日分あげて経過を見ている(大人の場合は、3日経たないと、効いたかどうかはっきりしない?)。
帯状疱疹だと7日、そうでないと5日しか保険が効かないので、保険の問題と再発の問題との闘いとなる。再発したらカルテに再発と書いて、2~3日間だけ1日4回であげて、後は1日に1回で長期に行く。それでも再発したら、難治性と書いて、再び同じことを続ける。免疫力を高め再発を防ぐ為に、その後に、柴胡桂枝湯を必ず与えている。柴胡桂枝湯は、調子がよくなれば2週間おきに、朝夕3日連続で数ヶ月間与える。これで上手く行くことが多い気がしている。
*トビヒ(多くは、ブドウ状球菌)とよく似ている。抗生剤を2~3日投与して効果なければ、ヘルペスかも知れない。ヘルペスが原因の水痘や、ウイルスが原因のインフルエンザでは、その特効薬は、48時間以内に始めることが原則になっている(それ以後だと既にウイルスが増え切ってしまっているので、あまり効かなくなる)。早期診断早期治療がいいことは言うまでもないこと。又、疲れていたり、風邪気味だったりして、免疫力が低下している時に、ヘルペス感染を繰り返すことが多い。