遠藤賢司 『カレーライス』

ラジオ少年だった僕は、授業中にラジオ番組にだす
リクエストハガキをせっせと書いていた。
採用されて覚えているのは、泉谷しげるさんの『春夏秋冬』と
遠藤賢司さんの『カレーライス』。

♪君も猫もみんな
　みんな好きだよカレーライスが
　君はとんとん　じゃがいも　にんじんを切って
　涙を浮かべて玉ねぎを切って
　バカだなバカだな　ついでに自分の手も切って
　僕は座ってギターをひいているよ～ん　カレーライス

深夜、ラジオから流れてきた語りかけてくれるような静かな曲。
聴いていて思わず歌（詩）の世界に入っていた。
そして今でも聴いている好きな歌です。

自分の記憶の間違いかもしれませんが、
たしかＮＨＫ教育テレビ（９チャンネル）で放送されていた「若い広場」。
この番組にロングヘアーの遠藤賢司さんが物静かに歌っていたのを見たのです。
それが今でも遠藤賢司さんのＣＤを聴くと思い出すのです。

♪猫はうるさくつきまとって
　私のも早くくれ　にゃあ～って
　う～んとってもいい匂いだな
　僕は寝転んでテレビを見ている
　誰かがお腹を切っちゃったって
　う～んとっても痛いだろうにねえ
　はは～ん　カレーライス

＞誰かがお腹を切っちゃって
これは後に知ったことだけど、誰かとは作家の三島由紀夫さん。
テレビの中継は、1970年（昭和45年）11月25日に、作家・三島 由紀夫が、
憲法改正のため自衛隊の決起（クーデター）を呼びかけた後に割腹自殺の模様です。
この日のことを歌にしていたのかと分かったのです。

『カレーライス』が収録されているアルバム「満足できるかな」
物静かに歌う歌もあれば表題曲「満足できるかな」のようなハードの曲。
バックは細野春臣氏、松本隆氏、鈴木茂氏のはっぴいえんどの３人。
このアルバムも７０年代の名盤の１枚かと思っています。

♪君と猫とちょっと甘いのが好き
　僕はうんと辛いのが好き
　ふふふ～ん　カレーライス
　ふふふ～ん　カレーライス

カレーライス、これを書いていたら食べたくなってきたな、
ちょっと辛めのカレーライスを・・・。