必ずしもヒット曲がいい歌とは限らない。
隠れた名曲。癒される名曲。元気が出る名曲。
若いころ聴いた歌は、あの頃を思いだしてくれることもある。
そういうことが歌の魅力なのかもしれない。
若いころ聴いた時は、とくに何も感じなかったが
50を超えた頃、この歌が心に沁みる。
作詩/高石ともやさん、作曲/杉田二郎さんの『八ヶ岳』
♪花かざりが似合うよ若い母親だね
手をのばせば 八ヶ岳 空が高いね
子ども連れの旅では ふさわしくないけど
ひとつ部屋で 5年目のおそいハネムーン
君は野菊を髪にさして笑っている
手をふってこたえれば
君は はにかんで少女のよう
ぶつかるように抱きあった初めての夏
あの日から 2人で歩いて来たんだね
いつのまにか 季節は変わっていたね
いそがしいと言いながら君を忘れていたね
気がつけば 高原は夕べの風
寒そうな細い肩 そっと抱きよせる
歩きはじめた子供の手を引く君を
うしろから見守れば
あの山にも似て僕は父親
教会の鐘が鳴るぼくらのためだね
なだらかなすそのがやさしい秋だね
あしたからは 街暮らしまたはじまる
八ヶ岳はもうすぐ初雪なんだね
とても素敵な詩。
晩秋に聴くとより一層、情景も浮かぶ。
作詩した高石ともやさんも歌っているけど
最近の僕は、杉田二郎さんの歌が気にいっていて
この歌も杉田二郎さんの方で聴いている。
秋の夜長、じっくりと聴いていると涙が出るくらい
いい歌だなぁと感じるのです。