♪ハダをそめあげたのは 太陽と潮
シワをきざんだのは 時の満ちしお
老人は海から生まれ 海に育ち
海で生きることしか 考えたこともない
若さに酔いしれた 昔日遠し
友も女たちも すでにまぼろし
老人は浜辺にひとり ひとり残る
岸に打ち寄せるのは 変わらぬものがたり
勝利の場面はいまも あざやかなままに
潮にくもった眼も 燃えるほどに
老人は戦ってきた さかなたちと
捕えねじふせ殺し そして愛していた
舟をこぎだせ早く 戦うものよ
くちはてなんものよ いのち愛せよ
老人は海から問われ 海に応え
海へ帰ることしか 考えたこともない
作詞:中山千夏 作曲:小室等
東日本大震災、津波。
津波によって多くの犠牲者がでた。
津波によって暮らしも変わった。
津波によって景色も変わった。
『老人と海』
この歌を聴くとあるイメージが浮かぶ。
一人の老人が海を見ている。
津波によって友を亡くし家族までも亡くした。
全てが流された。
一人助かった老人。
海を見つめながら何を思っているのだろう。
あれから10年。
今はおだやかな海。でも心の中は・・・。
この歌を最初に聴いたのは20代の頃、このレコードを聴いて。
小室等さんのライブアルバム「小室等23区コンサート/東京旅行」
このコンサートに中山千夏さんがゲスト出演して一緒に歌っている。
もう40年ぐらい前に作られた歌である。
そのころは「あ~、いい歌だな」ただそれぐらいに思っていた。
でも今、聴きなおしてみると
東北に住む一人の老人の姿を映し出す歌のようにも聞こえるのである。
東日本大震災、津波被害。
中山千夏さんの詩が泣けてくる。
中山千夏・小室等 老人と海
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