ストーカーという言葉はほぼ100パーセントネガティブな意味でしかとられない。渡部篤郎主演の名作テレビドラマ、その名もずばりな『ストーカー 逃げ切れぬ愛』があったり。渡部篤郎が高岡早紀を追い詰めるというそのものずばりのストーカー。映画だとこれまた『ストーカー』というずばりなタイトルのロビン・ウィリアムス主演の駄目な映画もあったっけ。駄目だけれど、こっちもストーカー直球のサスペンスホラー。ホント酷いけど。
―『私は猫ストーカー』(映画公式)
『ストーカー 逃げ切れぬ愛』よりも『ストーカー』よりも自分でストーカーだと名乗っているだけもっとド直球。だけどストーカーする対象は猫なので害は無いのかもしれない。不審だけど。たまに外を歩いていて、野良犬や野良猫の後を付いて行きたいと思うことはあるけど、作中の主人公役の星野真里でさえも猫をストーカー中、近所の怪訝な視線にさらされていたので、ぼくには無理。猫や犬をストーキングしてたら即効で通報だな。
『かもめ食堂』みたいに雰囲気モノで物語とか無くて、若い女の子が淡々と猫をストーキングし続ける映画かと思ったらそうでもなかった。近い部分はあるけれども。ちゃんと猫のストーキングの合間に主人公や周りの人の過去の恋愛のわだかまりを中心に話が展開されていて、その中で緩やかではあるけれど主人公も何かが変化するっていう映画的な物語もちゃんとあってとっても面白かった。静かで地味ではあるけれど。
特に面白かったのが、主人公へ元彼が電話をかけてくるシークエンス。前段として主人公は元彼に未練のようなものがあり、元彼はりんごを送るついでに結婚するという手紙を同封してきたというのがある。元彼は青森から電話をかけているのに、映画のカットの中では合成でも何でもなくて物理的に東京の主人公の部屋で黒電話をかけてる。同じ部屋に居る二人を緩くパンして交互に映す。
元彼が送ってきたりんごを主人公が冷蔵庫にしまっているだろと電話越しにとがめると、元彼はおもむろに主人公の部屋の冷蔵庫からりんごをみんな取り出し、一つずつ磨き始める。そんな中で昔話をしつつ、ふいに主人公が「結婚おめでとう…」と切り出すか出さないかのところで映画のカットの中では物理的に存在している元彼がボッと消えちゃう。物理的にりんごが主人公の前に投げ出される。そこからカメラは主人公のみ正面から映す。未練みたいなものがあったから物理的に存在しているように演出されて、その未練を断ち切った?途端に物理的な元彼が消えちゃう。変な演出なんだけど、とってもかわいい演出。
このシークエンスがとても象徴的というか、すごく丁寧な映画でした。そして凄い綺麗な脚本でした。無理の無い、自然な台詞でとっても良かった。その分パンチとか力強さとかはないけれど、猫をストーキングする女の子の話っていう緩い物語にはとってもあっていて素敵な映画です。猫をストーキングする星野真里もいちいちかわいい。特にラストのストーキングシーンがふんわりとした雰囲気でとっても可愛らしかったです。
エンドロールのアニメーションやバカでかわいい歌も素敵で可愛らしい。「ねこおいかけて、ねこおいかける、わたしはぁ~ねこすとーか~♪ねこ~すと~かぁ~♪」小さいけれど良い映画だなぁ。でも何故か4:3なんだよなぁ。何でだろ。そんでオーディオコメンタリーには何故か矢口史精監督までいる。
―『私は猫ストーカー』(映画公式)
『ストーカー 逃げ切れぬ愛』よりも『ストーカー』よりも自分でストーカーだと名乗っているだけもっとド直球。だけどストーカーする対象は猫なので害は無いのかもしれない。不審だけど。たまに外を歩いていて、野良犬や野良猫の後を付いて行きたいと思うことはあるけど、作中の主人公役の星野真里でさえも猫をストーカー中、近所の怪訝な視線にさらされていたので、ぼくには無理。猫や犬をストーキングしてたら即効で通報だな。
『かもめ食堂』みたいに雰囲気モノで物語とか無くて、若い女の子が淡々と猫をストーキングし続ける映画かと思ったらそうでもなかった。近い部分はあるけれども。ちゃんと猫のストーキングの合間に主人公や周りの人の過去の恋愛のわだかまりを中心に話が展開されていて、その中で緩やかではあるけれど主人公も何かが変化するっていう映画的な物語もちゃんとあってとっても面白かった。静かで地味ではあるけれど。
特に面白かったのが、主人公へ元彼が電話をかけてくるシークエンス。前段として主人公は元彼に未練のようなものがあり、元彼はりんごを送るついでに結婚するという手紙を同封してきたというのがある。元彼は青森から電話をかけているのに、映画のカットの中では合成でも何でもなくて物理的に東京の主人公の部屋で黒電話をかけてる。同じ部屋に居る二人を緩くパンして交互に映す。
元彼が送ってきたりんごを主人公が冷蔵庫にしまっているだろと電話越しにとがめると、元彼はおもむろに主人公の部屋の冷蔵庫からりんごをみんな取り出し、一つずつ磨き始める。そんな中で昔話をしつつ、ふいに主人公が「結婚おめでとう…」と切り出すか出さないかのところで映画のカットの中では物理的に存在している元彼がボッと消えちゃう。物理的にりんごが主人公の前に投げ出される。そこからカメラは主人公のみ正面から映す。未練みたいなものがあったから物理的に存在しているように演出されて、その未練を断ち切った?途端に物理的な元彼が消えちゃう。変な演出なんだけど、とってもかわいい演出。
このシークエンスがとても象徴的というか、すごく丁寧な映画でした。そして凄い綺麗な脚本でした。無理の無い、自然な台詞でとっても良かった。その分パンチとか力強さとかはないけれど、猫をストーキングする女の子の話っていう緩い物語にはとってもあっていて素敵な映画です。猫をストーキングする星野真里もいちいちかわいい。特にラストのストーキングシーンがふんわりとした雰囲気でとっても可愛らしかったです。
エンドロールのアニメーションやバカでかわいい歌も素敵で可愛らしい。「ねこおいかけて、ねこおいかける、わたしはぁ~ねこすとーか~♪ねこ~すと~かぁ~♪」小さいけれど良い映画だなぁ。でも何故か4:3なんだよなぁ。何でだろ。そんでオーディオコメンタリーには何故か矢口史精監督までいる。