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惜し過ぎる大傑作、It Takes Two

2021-12-10 | 備忘録



本日開催された「The Game Awards 2021」にてGame of The Yearを受賞した『It Takes Two』は私個人も大傑作だと思いました。大傑作だと思ったのですが、もう少しこうしたら良いのでは?と思うところがあったのがちょっと残念でした。

◆coop(協力プレイ)専用アクションゲーム
『It Takes Two』は協力プレイ専用のアクションゲーム。かなり珍しいです。しかもCPUとの協力は出来ず、オンラインかオフラインの人間のみと協力プレイが可能。ちょっとハードルは高いのですが、ゲーム自体のメカニズムが優れている為、このハードルを超えると極上のゲームプレイが待っています。

◆『スーパーマリオ64』や『アンチャーテッド』をオマージュ?した優れたゲームメカニズム
離婚を控えた夫婦が子供の願いにより人形に変えられたと言う昨今のディズニー、ピクサーアニメの様な設定が注目されがちですが、このゲームの白眉はなんと言ってもゲームのプレイフィールです。

『スーパーマリオ64』を更にブラッシュアップした様な操作性で、コントローラーでキャラクターを動かすだけで楽しくノーストレス。また、ステージ上のアクションやギミックを使った謎解きは『アンチャーテッド』シリーズのそれをこれまた更に洗練させた様なものになっています。進めない!と思ったら、絶妙な難易度で進める様になっています。

それをシングルプレイでは無くて、人間同士の協力プレイで進めていきます。協力プレイならではのギミックが沢山あり、協力しないと進めません。だからこそ一緒にプレイする人との関係性が浮き彫りになります。途中、離婚を目前にしたゲーム内の2人の様に実際にプレイした人と険悪な雰囲気になりました。

更に言うと、アクションや謎解きの難易度曲線の上がり方が絶妙です。あー、パターン、分かった!楽勝と思うと、絶妙に難易度が上がり、考えてゲームをプレイすることが必要になってきます。また、ただ通り過ぎる所も含めてとてつも無く作り込まれたステージはそれだけで面白く飽きる隙が無いのです。





中盤までは。

◆練り切れていないのでは?と感じる後半のステージ
前半から中盤にかけてのステージはギミックが変わり、プレイスタイルが変わり、難易度もちょうど良く上昇していきます。また、展開も次から次へと進んでいくのでダレ無い。これは本当に素晴らしいです。

ただ中盤以降、空をメインにしたステージに差し掛かって私の中でつまづきを覚えました。これまでのステージと比べて、空のステージでは操作方法が変わりますが、空を飛ぶ操作がそれまでの操作方法と比べるとかなりプレイしづらく、またギミックもあまり面白いと感じにくかったです。

楽器をメインにしたステージはこれまでと同じ操作方法では有るのですが、それまでのステージのギミックと比べると、変わり映えせず、中盤までと比べると私のプレイ意欲がかなり落ちてしまいました。もちろん良くは出来ては居るのですが、いかんせん中盤まで良過ぎるのです。

◆人間に戻って大団円だけど、それでいいのか?
なんだかんだあった末に、ゲーム内の夫婦は人形から人間に戻ります。ところがせっかく家に帰ってきたら、家に2人の娘はいませんでした。2人の離婚は自分が原因と思い込んでしまって、家出していたのです。

家出した娘を夫婦は探しに行くのですが、なんとそのシーンは全てムービーです。夫婦が協力することをゲームプレイに落とし込んできた(と少なくとも私は思っています)のに、ラストの娘を探しに行くシーンにプレイヤーが介在出来ないのは仕様としてかなり残念だと感じました。画竜点睛を欠くとはこの事だと。

最後の最後の夫婦2人が協力して成し遂げるべき"娘を探す"と言う最重要なシーンがゲームプレイじゃ無くて、ムービーなのが本当に勿体ないです。こここそボスなど無くても良いので操作できるゲームプレイパートにして欲しかったです。これまでお互いが協力してゲームを進めてきた事の集大成をコントローラーでプレイして完結出来てこそ、本作は完成したのでは無いかと残念でなりません。


色々と書いてきましたが、プレイする相手がいる人は、特にゲームや映画が好きな人こそプレイして欲しいゲームです。ゲームや映画のオマージュに溢れて、何よりプレイして楽しい。ゲームをプレイしてきた大人たちへのご褒美のようなゲームです。


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