―「水曜プレミアシネマ」(TBS)
TBSの水曜日夜9時に復活する映画枠、「水曜プレミアシネマ」。何がラインナップされるのかと期待していたら、ケーブルテレビの月間番組表にラインナップが掲載されていました。
・4月4日『ライオンキング』
・4月11日『SPACE BATTLESHIP ヤマト』
・4月18日『Mr.&Mrs.スミス』
・4月25日『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』
出典:「ケーブルテレビマガジン2012年4月号」
……TBSが何を思ってこの枠を作ったのか。上記サイトの「みどころ」なる文章を読んでみると、
目標は、映画枠を復活することでTBSの水曜よる9時を新たな視聴者の方にご覧いただき、水曜日の固定ファンを獲得していくこと。視聴者の皆様に「水曜よる9時はTBSにチャンネルを合わせる」という動機を持っていただきたいという想いで、魅力あるラインアップを揃える。
週の真ん中という水曜日の特性を生かし、視聴者の方々の活力と癒しになるような厳選された名作映画を、洋画・邦画を問わずラインアップしてお届けしていく。
(上記リンク先より一部引用)
4月のラインナップを見た限りだと、日本テレビの「金曜ロードショー」の大作、新作路線でもなく、テレビ東京の「木曜洋画劇場」、「水曜シアター9」のB級アクション路線でもなく、どちらかといえばテレビ朝日の「日曜洋画劇場」にTBS製作映画を混ぜるような感じなのかな?とも思えます。ただ映画を垂れ流すだけで「水曜よる9時はTBSにチャンネルを合わせる」ようになるんでしょうか。
例えば、「金曜ロードショー」は『アバター』や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』など話題の新作映画をCSよりもいち早く放送したり、俳優を使った新録吹替えや劇団四季の俳優を使った新録吹替えなど大資本であるテレビ局の強みを活かした意欲的な試みを続けています。また「日曜洋画劇場」も「金曜ロードショー」とは異なる路線で新作を放送したり、新録吹替え版を製作したりしています。また映画の途中からでも観やすいように途中で前半のストーリーのおさらいを放送やデータ放送で行っています。
今純粋にゴールデンタイムの映画枠として生き残っている「金曜ロードショー」と「日曜洋画劇場」は単純に同時間帯の他の番組との視聴率争い以上にCS放送やDVDレンタル、動画配信などに対抗しようと様々な努力を続けて生き残ってきているのだと、ぼくは思います。単純に金を積んで新作映画を引っ張ってきているだけでは決して無い努力の賜物なんだと思います。翻って、果たしてTBSの「水曜プレミアシネマ」はCSやDVD、動画配信に対抗するような付加価値を与えてくれるのでしょうか。今の段階だと、ちょっとそこは期待出来ないのかな…
でもこの「みどころ」の文章って企画書の文章をそのまま持ってきたような文章だなぁ。
<追記>
土曜日に上記のHPを見てみると、更新されており引用した文章は消えていて、その代わりにラインナップが並んでいました。また「コンシェルジュ」という名で映画コメンテーター(何なんだ映画コメンテーターって)のLilicoさんがキャスティングされており、土曜日の「オールスター感謝祭」においても、「水曜プレミアシネマ」の宣伝をしておられました。しかも第1回放送の『ライオンキング』にちなんで劇団四季の『ライオンキング』が上演されるほどの力の入れよう?
コンシェルジュって少し前の「金曜ロードショー」の坂上みき的なことなんでしょうか。そしてちなみに「金曜ロードショー」も4月から「金曜ロードSHOW!」と名前を変え、映画解説者とかではなく何故か子役の加藤清史郎を「シネマボーイ」なるナビゲーターにするのだそう。(関係ないですけどHP内の表記がおかしなことに。置換しただけだな。。)「水曜プレミアシネマ」のLilicoにしてもやはり一般層をどれだけ取り込めるのかというところが重要になりそうです。
それなら東大ブランドを活かして蓮實重彦とか使ったらどうなんだろうとか思ったり。
まあつまりは水曜プレミアシネマの4月のラインナッブはSPACE BATTLESHIP ヤマト以外は全然OKって事だ。
あ~いい退屈しのぎになったぜ。
それとなこのコメント文を見て俺をキチガイだと思ったヤツはかなり病気だ。精神科行けよ、じゃあな。
でも安直な作りの映画を作り続けていると『26世紀少年』のような世界に成りかねない。というか、もはや成っています。そんな時に単純に映画を垂れ流すだけで、洋画をゴールデンタイムに放送するという試みが持続的なものになるのかという危惧があるのです。B級路線を最後まで堅持した、哲学を持っていた「水曜シアター9」ですら枠を失った時代です。
そういう時代なのですから、映画好きだけが観るだけではない、洋画に興味の無い人たちも取り込めるような意欲的な試みが必要なんじゃないかと思います。WOWOWの映画塾の試みはある種の理想形のようにも思われます。
ちなみに昨年2011年の興行成績は久しぶりに洋画が邦画を逆転しました。本来ならば邦画に元気があるということは喜ばしいことのはずなのですが、現状の邦画は…