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なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

02007年006月026日(火)すべると云うか、残念な話を改善したい

2007-06-26 | 休み
僕の話は本当に面白くない。
ドンだけ、良いネタを持っていても
話の構成が下手糞なので
対話相手の興味を維持できずに
自ら自滅してしまう。

とっさに何か云いたくても
巧く云えない。言葉ばかりが長大で
その実あまり中身が無かったりする。


だので、先ごろ放送されていた
「人志松本のすべらない話」を見て
勉強を試みた。





松本さん:「母からの手紙」
    ①母親から分厚い封筒に入った手紙が届くが、中身は写真の束
               ↓
    ②その写真の束はユンボや工事現場の写真ばかり
               ↓
    ③「尼崎も変わります」との一文で結ばれる。


これが松本さんの話の趣旨だったと思うけれど
ここでの面白さのポイントは
母親から送られてきた写真が
当初意味を成していないという所。
何故ユンボなどの重機の写真が?と
思わせていたところに
「街が変わった」という事を伝えたかった
と云う意図ががあらわになるところに
落差があり、カタルシスがあり
笑いになるのだと思う。


ほっしゃん:「安売りの洗剤」
     ①近所の量販店のセールで、業務用サイズの無名メーカーの洗剤を買う
               ↓
     ②その洗剤を使って普段通り洗うが、全く汚れが落ちない
               ↓
     ③よくよく箱の説明を見ると、一回にカップ7杯の洗剤が必要と書いてあった


この話も先ほどの松本さんの話と
同じような構造に見える。
普段どおりの洗い方をしても
汚れが落ちないという謎掛けに対して
実は普通よりも沢山の量を使う
必要があったという謎解き、”落ち”によって
カタルシスが生まれて、笑いになる。
付け加えると、初めの”安売り”、”無名メーカー”
が伏線となっており
「沢山使わないと汚れが落ちない」ことに
もっともらしさを付加している。




ここまで見てきて分かったことは
人を笑わせるためには
落差が必要であるとということ。
話の初めから、「尼崎も変わってしまってなぁ」とか
「7杯も入れないと汚れが落ちない洗剤があって…」
と云ったところで、それを始めにばらしてしまえば
”落ち”、つまり落差は期待できない。
笑わせる話の構造の基本としては

①不可解な状況を提示
    ↓
②その不可解な状況の謎解き

鍵と鍵穴の関係と云うか
謎掛けと謎解きの両者によって
カタルシスが生み出され
笑いが生まれるように思える。
またこの構造はサスペンスのそれと
全く同様であるようだ。



ただやはりこの形は基本でしかない。
例えば、メッセンジャーの黒田さんの話は
まず先にある程度の落ちを提示してしまっている。


黒田さん:「オカンが難波高島屋で便器を壊した話」
    ①黒田さんのオカンが重度の便秘だったが、高島屋でもよおしてしまう
              ↓
    ②便の量が大量で、流すことが出来ず便器を壊して、オカンは逃げてしまう
              ↓
    ③オカンが出た直後に入った別のお客が「サンショウウオだぁ!!」と叫ぶ


黒田さんのこの話では
まず話のタイトルからして
”落ちている”上に
「うんこが流れなかった」でも”落ち”
「それを放ってオカンが逃げてしまう」でも
すでに”落ち”ているが
そのうんこが「サンショウウオ」であると
誤認されてしまったところでも”落ち”ている。

つまり二段、三段の”落ち”によって
3回ものカタルシスが用意されていることによって
面白さが強化されてゆく。
けれどもここで重要なのは”落ち”の強度。
「うんこが流れなかった」よりも
「それを放っていってしまう」のほうが
よりインパクトがあり
そして「それをサンショウウオと誤認される」
ことのほうがよりインパクトが大きい。

始めに、インパクトの強い話をしても良いが
必ずそれ以上にインパクトの強い話が無ければ
「ふ~ん」で終わってしまう可能性が高い。
重要なのは、話のインパクト、強度をよく考慮した上で
話を構成してゆくことだろう。

例えば、この黒田さんの話を

    ①オカンが出た直後に入った別のお客が「サンショウウオだぁ!!」と叫ぶ
              ↓
    ②便の量が大量で、流すことが出来ず便器を壊して、オカンは逃げてしまった
              ↓
    ③黒田さんのオカンが重度の便秘だったが、高島屋でもよおしてしまった

と、この様に再構成してみると
①と②のつながりこそ、一見面白そうな
感じもしないでもないが
③ではやはり尻つぼみの感が否めない。


まぁ、どういう構造で話を組み立ててゆくのかで
きっと強度の順番は異なるのだろうけれど
入れ子構造のような複雑な話を作ろうと
しない限りは、基本のこの強度の順に
話を組み立ててゆくことが定石なのだろう。





けれども、どんなに面白いネタや
それを生かす話の構造を用意したところで
「面白い話をする雰囲気」を構築できなければ
それは宝の持ち腐れでしかない。
今一番僕に必要なのは「面白い空気」を
醸し出すことだと思う。

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