久しぶりの本紹介
法隆寺の棟梁、宮大工の西岡常一さんのインタビューをまとめた本
最近、職人系の話に興味があるだけに響いた一冊
宮大工の仕事は神社仏閣の建築や補修に携わる大工さん
寺社以外の仕事、家などを建てたら宮大工ではなくなるそうです。
実際、高度経済成長などで建築費用が上がっていく中、
寺社の修理などの費用は昔のまま・・・
宮大工を辞める人が多かったそうです。
普通の大工と宮大工の違いは・・・
○仕事とは「仕える事」と書く。
塔を建てる事に仕え奉るということ。
儲けてなんぼとはちがう。心に欲があってはいけないのです。
○彫刻を彫る人は「一刀三礼」という
我々は「一打ち三礼」 「千年持ってくれ、千年持ってくれ」と打つんですわな
建物が千年持つ・・・1000年
法隆寺って凄い 木って凄い
飛鳥時代の建物が今でもある。
奈良に行きたくなる
師曰く、もう同じものは作れないしその技術も道具も材料も無い
これだけ技術が進んでいる(はず)なのに、釘一つ同じものが出来ないとは
心を打った一番の言葉は・・・
○器用な人はどんどん前へ進んでいくんですが、
本当のものをつかまないうちに進んでしまうこともあるわけです。
けれども不器用な人は、とことんやらないと得心ができない。
こんな人が大器晩成ですな。
師が農学校で学んだ通り作物を作ってみると上手くいかない。
おじいさん曰く
「おまえは稲を作りながら本と話をしてたんや。
農民のおっさんは稲と話をしていたんだ。
農民も大工も同じ。
大工は木と話し合いが出来なければ、大工ではない。
よーく心得て、しっかり大工をやれよ」
ちょっと自分には痛い所を突かれた感じ
症状でも医学書でもなく、しっかり患者さんと向き合っていたか・・・
その他、建築のみならず自然界の事、世の中での女性の役割、などなど色んな事が書かれています。
西岡さん ありがとうございます