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賢治の旅1

2022-10-26 10:44:21 | 旅行

とあるBSの番組で、宮沢賢治と父政次郎が関西方面を旅した足跡をたどる企画があり、たまたまその、政次郎をやることになったので、21日の金曜日から23日の日曜日、そこら辺に行ってきた。

事の発端は、数ヶ月前、盛岡フィルムコミッションから来た依頼。まあ、風貌が結構似てると言うこともあり、オレに白羽の矢が立ったのだろう。制作会社はテレビマンユニオン。以前「風のセールスマン」で盛岡公演に来た、柄本明さんのお話に出てきた制作会社だ。

柄本さんが「オペラを見に行きたい」と言ったはずが、いつの間にか「帰れソレントへ」を習いに行く、という企画でイタリアへ行くことになったのだという。その番組は今は終わってしまった「世界ウルルン滞在記」。今は「世界ふしぎ発見」などを作っている、海外ロケ番組に定評のある制作会社だ。ウィキペディアをチラ見してみたら、日本最初の独立系制作会社だという。

このときに聞いた柄本さんの話もすげぇ面白かったのだが、それはまた別の機会に。ってそんな機会があるかわかんないけど。

金曜日の午前中は、盛岡市内の小学校の学校ワークショップ最終回があった。「スイミー」を演じる小学2年生たち。何をやっててもかわいいのは、すでにそんな時期をとうに過ぎた子を持つ親の心境で、孫みたいなもんだからだ。そんな演劇ワークショップを終えて、それから旅立つことになった。

盛岡→東京→名古屋→伊勢市→二見浦という旅程。14時17分盛岡発はやぶさ、着予定は20時30分、実に6時間ほど列車に揺られる久々の遠出だ。名古屋まではそれほどでもなかったのだが、そこから快速みえが長かった。東北新幹線から東海道新幹線、そして在来線の指定席ありの快速と、だんだん揺れが大きくなっていった。乗り心地が最も良いのは東北新幹線だね。

東海道新幹線に乗るのもかなり久しぶりである。

乗り換えの時間が結構タイトで、その間に夕食の調達をしなければならなかった。名古屋駅での待ち合わせが最も長くて15分くらい。その間にシュウマイ弁当とビールをそそくさと買い求め、車中で食べることはなく二見浦まで。

20時30分と遅い時間の到着なので、駅からタクシーで宿まで向かおうと考えていた。歩いても10分くらいとそんなに遠くはないのだが、宿に着いてから顔合わせ的なこともあるので、なるべく急いだ方が良いかなと思ったりもしたのだ。

伊勢市駅から乗り換えて二駅。二見浦という有名な観光地だろうから、タクシーくらい捕まえられると高をくくっていたが、さにあらず。無人駅の前には、タクシー乗り場のバス停っぽいものはあるものの、駐まっているタクシーはゼロである。

こんな時間に二見浦に到着するのは、多分近所の住人くらいなのであろう。というわけで、徒歩で岩戸館という旅館を目指す。

歩いている人など1人もいない夜の道を1人てくてくと歩く。車の往来はあるものの、途絶えると、街灯もない真っ暗な道になってしまう。月明かりもほとんどない。足早に歩く足下が見えない。ときどき躓いたりして、なんだか気持ちが焦る。

しばらく行くと、ファミリーマートの明かりが見えた。まあコンビニはどこにでもあるな。そして、その明かりを見てホッとしてるなんざ、オレもまあ都市の住人だなと思う。折角なのでそこで酒とつまみを買い足し、空腹のまま歩く。シュウマイ弁当とビールは荷物の中で揺れていることだろう。

ようやく宿に着くと、薄暗いロビーにプロデューサーのFさんの姿が。駅に着いたとき、徒歩で向かうと連絡を入れておいたのだ。

「ちょっと休憩してから・・・」と言われたのだが、まあ、早く済ませて風呂入ってビールを飲みたい。というわけで、着くなり顔合わせというか衣裳合わせとなった。

初日は移動のみで終了。

 



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