正確には、初キャンプではない。初キャンプは15年くらい前になるだろうか。
場所はカナディアンロッキー。今は無きNHK「青春メッセージ」に出場したご褒美の海外旅行でのことである。
一週間ホームステイ、一週間キャンプという、なんだか良くわからないツアーに組み込まれていた。で、後半の一週間、カナディアンロッキーをキャンプして回るのだ。夏のロッキーはそれこそキャンプの本場で、整備されたキャンプ場があちこちにあるのだ。まあその話は別の機会に出るかでないかわかんないけどまあ置いといて。
焼走りである。
朝の9時半に西根の道の駅集合、家とHくん一家とKさん一家の3家族である。
最もこのキャンプを楽しみにしていた娘は、2日に熱を出してしまい、3日は下がったものの、4日にまたぶり返し、とりあえず宿泊は断念させた。
朝はそれなりにいい天気で、Hくんは半袖で登場だ。キャンプ場に着くと、いやあ、スゴイ風。びゅーびゅー吹いている。しかも天気予報は夜になると雨だという。
やはり結構寒い。
経験上、この時期は寒暖の差が激しく、夜は真冬なみの装備が必要だと考えていた。雨と汗と寒さ対策、これだけは念頭に置いて衣服を準備したのだが、大正解。
昼間はなんとか風だけで、寒かったものの、さほどへこたれた感じにはならなかった。
日が暮れた頃、家のカミさんと娘、そして、Kさんの息子と奥さんの4人が帰って、子ども4人大人4人となった。
そして、その頃からはポツリポツリと雨が降り始めたのである。風はまだ止まない。
不穏な空気は感じていたので、男達はブルーシートで屋根をかけていた。そのブルーシートがばっさばっさと羽ばたいている。そして雨はどんどん強くなっていく。
「いやあ、参っちゃったねぇ」とかいいながら、酒を飲んでいる。「普通、帰るよねぇ」といいながらも酒は進む。そろそろ子どもたちも眠くなってきている。家の息子はいつもはカミさんと寝ていて、泣かれるんじゃないかとヒヤヒヤしていた。
いつ寝てもいいように、テントに寝床を準備する。
さて、息子を暖かい服に着替えさせて、たき火の前で抱っこして、ちょっと揺らしてやる。うとうとし始め、さて、そのまま寝ちまえ、と思っていたのだが、これがなかなか寝ない。そのうち「おうちかえろう」と言いだした。「うん、帰ろうね」と答えつつ、はやく寝ないかなぁとゆらゆら。何度か「おうちかえろう」攻撃をかわしたあと。
「じゃあちょっとテントで休んでから帰るか」
とごまかし、テントの寝床へ。限界だったらしく、うつぶせになったと思ったら落ちていた。一安心してふと見ると、ん? テントのはじっこ、雨がびゅーびゅーかかる方が浸水している。あらら。地面の傾きとしては、浸水している方が下がっていたので、寝床を反対方向に移す。
ウレタンの銀シートも敷いてあるので、まあ、よほどのことがなければシュラフまでは浸水しまい。再び戻って酒盛りへ。
そうこうするうちにどんどん雨は強くなり、風も当然止まない。屋根のブルーシートには水がたまり、ときどき屋根を持ち上げて、水を流してやる。何やってんだろうなぁ、という気分になってくる。しばらくして、息子が目を覚ましたらしく、なんか呼んでいる。テントに入って一緒に寝てやったらそのまま寝た。
そこでそのまま寝てしまっても良かったのだが、どうにも尿意が強い。このまま寝るわけにはいかない。隣の息子が完全に寝入るまでとりあえず腕枕である。そおっとそおっと、腕を抜き、外へ尿意を解消しに行く。まだ雨は降っている。
で、またおやじ達の談笑へと戻る。
結局、11時頃に雨は止み、いやあ、良かったねぇなどと言いながら、全員撤収してテントに入ったのが12時頃だったろうか。前線が通り過ぎたあとは、風向きが逆になったのである。そして風が強まる。
遠くから風の音が聞こえてくるのである。ザザーッと遠くの森がざわめく音がすると、だんだんに風の音が近づいて、ビョオオオーっとテントを舐めて通り過ぎる。ドーム型テントの骨組みがひしゃげるほどの強さだ。
眠れやしない。そして、ものすごい音がするなあと思っていたら、屋根にしていたブルーシートの端が外れ、俺のテントの上をバササササーッと羽ばたいていた。しかし、一人で外すのも大変だし、夜だし、まあ、朝まで我慢しようと、そのままにした。
しかしうるさい。
良くもまあこんな騒音の中で子どもは眠れるものだ。結局朝まで風は止まず、ときどきうとうとしたくらいで目を覚ました。しかし、息子はぐっすり寝たらしく、朝5時半から絶好調だ。
夕べ「おうちかえろう」と言っていたはずなのに「もっとキャンプしたいなあ」とか言い始めやがった。
「夕べはおうち帰ろうって言ってたじゃないか」というと「テントのおうちのことだよ」と、誤魔化しやがった。
まあ、そんなわけで初キャンプはものすごい天候だったわけだけれども、見方を変えれば、これ以上酷いときに当たるのはそうあることでもないので、まあ、酷くてもこんなもんだなって感じで、またキャンプに行こうと思う。
今度は天気のいいときが良いなぁ、ホントに。
場所はカナディアンロッキー。今は無きNHK「青春メッセージ」に出場したご褒美の海外旅行でのことである。
一週間ホームステイ、一週間キャンプという、なんだか良くわからないツアーに組み込まれていた。で、後半の一週間、カナディアンロッキーをキャンプして回るのだ。夏のロッキーはそれこそキャンプの本場で、整備されたキャンプ場があちこちにあるのだ。まあその話は別の機会に出るかでないかわかんないけどまあ置いといて。
焼走りである。
朝の9時半に西根の道の駅集合、家とHくん一家とKさん一家の3家族である。
最もこのキャンプを楽しみにしていた娘は、2日に熱を出してしまい、3日は下がったものの、4日にまたぶり返し、とりあえず宿泊は断念させた。
朝はそれなりにいい天気で、Hくんは半袖で登場だ。キャンプ場に着くと、いやあ、スゴイ風。びゅーびゅー吹いている。しかも天気予報は夜になると雨だという。
やはり結構寒い。
経験上、この時期は寒暖の差が激しく、夜は真冬なみの装備が必要だと考えていた。雨と汗と寒さ対策、これだけは念頭に置いて衣服を準備したのだが、大正解。
昼間はなんとか風だけで、寒かったものの、さほどへこたれた感じにはならなかった。
日が暮れた頃、家のカミさんと娘、そして、Kさんの息子と奥さんの4人が帰って、子ども4人大人4人となった。
そして、その頃からはポツリポツリと雨が降り始めたのである。風はまだ止まない。
不穏な空気は感じていたので、男達はブルーシートで屋根をかけていた。そのブルーシートがばっさばっさと羽ばたいている。そして雨はどんどん強くなっていく。
「いやあ、参っちゃったねぇ」とかいいながら、酒を飲んでいる。「普通、帰るよねぇ」といいながらも酒は進む。そろそろ子どもたちも眠くなってきている。家の息子はいつもはカミさんと寝ていて、泣かれるんじゃないかとヒヤヒヤしていた。
いつ寝てもいいように、テントに寝床を準備する。
さて、息子を暖かい服に着替えさせて、たき火の前で抱っこして、ちょっと揺らしてやる。うとうとし始め、さて、そのまま寝ちまえ、と思っていたのだが、これがなかなか寝ない。そのうち「おうちかえろう」と言いだした。「うん、帰ろうね」と答えつつ、はやく寝ないかなぁとゆらゆら。何度か「おうちかえろう」攻撃をかわしたあと。
「じゃあちょっとテントで休んでから帰るか」
とごまかし、テントの寝床へ。限界だったらしく、うつぶせになったと思ったら落ちていた。一安心してふと見ると、ん? テントのはじっこ、雨がびゅーびゅーかかる方が浸水している。あらら。地面の傾きとしては、浸水している方が下がっていたので、寝床を反対方向に移す。
ウレタンの銀シートも敷いてあるので、まあ、よほどのことがなければシュラフまでは浸水しまい。再び戻って酒盛りへ。
そうこうするうちにどんどん雨は強くなり、風も当然止まない。屋根のブルーシートには水がたまり、ときどき屋根を持ち上げて、水を流してやる。何やってんだろうなぁ、という気分になってくる。しばらくして、息子が目を覚ましたらしく、なんか呼んでいる。テントに入って一緒に寝てやったらそのまま寝た。
そこでそのまま寝てしまっても良かったのだが、どうにも尿意が強い。このまま寝るわけにはいかない。隣の息子が完全に寝入るまでとりあえず腕枕である。そおっとそおっと、腕を抜き、外へ尿意を解消しに行く。まだ雨は降っている。
で、またおやじ達の談笑へと戻る。
結局、11時頃に雨は止み、いやあ、良かったねぇなどと言いながら、全員撤収してテントに入ったのが12時頃だったろうか。前線が通り過ぎたあとは、風向きが逆になったのである。そして風が強まる。
遠くから風の音が聞こえてくるのである。ザザーッと遠くの森がざわめく音がすると、だんだんに風の音が近づいて、ビョオオオーっとテントを舐めて通り過ぎる。ドーム型テントの骨組みがひしゃげるほどの強さだ。
眠れやしない。そして、ものすごい音がするなあと思っていたら、屋根にしていたブルーシートの端が外れ、俺のテントの上をバササササーッと羽ばたいていた。しかし、一人で外すのも大変だし、夜だし、まあ、朝まで我慢しようと、そのままにした。
しかしうるさい。
良くもまあこんな騒音の中で子どもは眠れるものだ。結局朝まで風は止まず、ときどきうとうとしたくらいで目を覚ました。しかし、息子はぐっすり寝たらしく、朝5時半から絶好調だ。
夕べ「おうちかえろう」と言っていたはずなのに「もっとキャンプしたいなあ」とか言い始めやがった。
「夕べはおうち帰ろうって言ってたじゃないか」というと「テントのおうちのことだよ」と、誤魔化しやがった。
まあ、そんなわけで初キャンプはものすごい天候だったわけだけれども、見方を変えれば、これ以上酷いときに当たるのはそうあることでもないので、まあ、酷くてもこんなもんだなって感じで、またキャンプに行こうと思う。
今度は天気のいいときが良いなぁ、ホントに。
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