気まぐれ猫と音楽だらけの暮らし

マイフェバレット満載!好きなことしかしない気まま気まぐれでもちょっとセンチメンタルな、お話ばかりですが、聞いて!

仲間との絆

2008-04-18 11:33:00 | ボウリング

ボウリングは個人の競技ではありますが、ダブルス戦やトリオ戦、五人組四人組と団体戦もあります。国内での主催団体もいくつかあり其処に所属しないと試合に出られない物もあります。

私達家族は四つの団体に所属しています。その中の一つに先に書いたNBFという団体があり、それぞれの地区で「支部」が置かれています。そこでの出来事です。

ある日の練習会の後先輩格のKさんが長男のMに注意しました。「10番ピンのトライを失敗したからと言って命を取られるわけではないから気にしないで次の投球に頭を切り換えた方がいい。あまり落ち込むと周りにの雰囲気まで悪くなるしモチベーションが下がるのは良くないこと。もっとボウリング自体を楽しむようにした方がいい」との内容です。これは以前にも言われたことで母である私は非常に気にしていた部分です。なにしろもう一人のAちゃんは有名な泣き虫さんですからね。

問題は別のところにあるんです。実は長男のMは発達障害があり高機能自閉症・アスペルガー症候群と診断されており、投薬治療をしているのです。薬が効いている間は非常におとなしく冷静なのですがそれでも自閉症独特の思考は出てきます。社会性に乏しく他人とのコミュニケーションが取りづらく、意見を受け入れたり主張したりすることが上手くいきません。冗談は通じないしからかいや本人への批判・否定はもっともしてはならない行為なのです。もちろん健常の人へもアドバイスは難しいという話は以前にもしましたが、Mにとって自分の投球や行動を注意されるということは「自分そのもの」を否定されると同じくらい深刻に受け止める非常事態なのです。知能的にはまったく問題がないので一見では見分けがつきません。しかしパニックになるとそれはものすごい状態になるのです。家を飛び出していくのはもう何回もありますし、わめき大声で興奮し泣き暴れるのです。

親ばかですが敢えて私はKさんに言いました。「あの子は自閉症児です。今の状況が彼の最高潮だと思ってください。ここからもっと上を目指すことは出来るとは思いますがその成長は他の健常児と比べてものすごくゆっくりです。発達障害というのはその辺から来ています。今言ったことを理解し実行できるようになるまでにはどのくらいかかるのかは分かりません。小さい子供に話すように繰り返し教えていくしかないのです。打てば響くようなことにはならないのです。どうか長い目で見てあげてください」と。

メンバーの一人Fさんは医療関係にいることもあるので発達障害児も知っていますし、お孫さんもいる年代ですから子供の成長や子育ての苦労も知っています。FさんはMを褒めてあげるのが一番なんだとKさんに話してくれました。Mはがんばっているよって認めてくれたのです。支部長のHさんやKさんは独身だったり子供がまだ小さかったりと子育ての経験がありません。どうやってジュニア世代と付き合えばいいのか、育てれば良いのかが分からないのは仕方のないことです。

後日メールが支部長のHさんから届きました。そこには次回のダブルス戦の組み合わせが書いてありました。私とFさん、Hさんと泣き虫Aちゃん。そしてMはKさんと組むとあります。一瞬「え?」と思いました。「え?いいの?本当に?」どこに真意があるのか分からなく戸惑いました。しかし最後にこの組み合わせを決めたのはKさんだとあるのです。KさんはMを理解してくれたのでしょうか。きっと理解しようと思ってくれての組み合わせなんだと思うのですが。

Mはこれを告げると「うん。がんばらないようにがんばるよ」と言います。ボウリングは大好きなようです。でもそこには少しの努力が必要だということも理解しているようです。

泣き虫Aちゃんは泣き虫を取り払いました。さてMはどこまで成長できるのでしょうか。楽しみでもあり不安でもあります。

でも受け入れようとしてくれいる仲間もいる事にまずは感謝しようと思っている今日この頃なのでした。