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Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

Chigasaki Classics~Thicker Than Water~

2006-08-15 17:58:27 | surfin'


波乗り5日目。

裏パークスモール。
リストラ~チーパー殺人ダンパー。
オフ強し、インサイド5.7㎡、アウトなら4.7㎡で走れるくらいの風。

裏パークで何本か小振りの波に乗る。
波待ちしているとドンドン沖に流される。

午後、西浜に移動した。
先日、柳島が良かったのでもしやと思い行ってみた。
このとき、オイラは見るだけのつもりで行ったんだ。
朝、食パンを食べただけで何も口に入れていない。
極度の空腹感で身体がもたなくなった。北風で体温も奪われたし。

自転車でサザンビーチを超え、茅ヶ崎漁港を越えたら、、、、

またまた驚愕の光景が目に飛び込んできた。
雲は北風に吹き飛ばされ、真夏の太陽が戻って、皮膚をジリジリ焼いている。背中が痛い。
沖からはっきりしたセットがやってきて、爆音とともに大ブレークを繰り返した。
ショアブレークで頭ある。

今回の台風10号ウーコンは東ウネリをもたらしている。
東ウネリはワイドダンパーになるんだ。

オイラはその波に見入ってしまった。
そこは日本ではなく、ハワイでもバリでもチョープーでもなかった。
完全に孤立した『chigasaki』だった。
かつてエキスパートオンリーとされていた茅ヶ崎西浜が、そこにあった。
漁港はるか沖から完璧にラインナップしてくる波は、
オフショアでなかなか崩れない。
でもサイズがダブルあるので波のピークから徐々に左右に崩れていく。
夏の日が波のフェイスをギラギラ照らしてる。面は完璧にフラットフェイス。

波を見とれているオイラの脇に、もう一人見とれている人がいた。
今年の夏はミラクルがたくさんある。
Hitomiだった。
オイラはこんにちはと話しかけた。
彼女はにっこりして『こんにちはー!』と返してくれた。

『今日はどっかで乗ってたんですか?』
『ええ、リストラで乗ってたの。でもダンパーが怖くて西浜に来たんだけど、、、
こんなに大きいと私には無理ね』
彼女はとてもうまい。
身長があるので体重移動が楽だから、シェイプのカスタムを芸術のようにまわす。

『でも君なら入れるでしょ。でも、、、確かにショートオンリーの波だよね』

オイラは住んでいる場所やいつまで夏休みなのか聞かれた。
同じ内容を彼女に聞き返した。
オイラはウインドサーフィンをしていることを話した。
今日は三浦でウインドするか茅ヶ崎でサーフィンするか悩んだことを話した。
波に乗るのがウインドの目的なのでフラットはノーサンキューと言ったら笑ってくれた。

彼女は話しながらダブルで割れる波を眩しそうに見ていた。
しばらくしてから
『私には大きすぎるから帰りまーす。あなたはどうするんですか?』
『ちょっと入っていこうかな。、、、あのさ、名前を聞いていいかな?』
彼女は快く教えてくれた。
やっと名前がわかった。住んでいるところもわかった。仕事もわかった。

『じゃ、、またね』
『はい!気をつけて入ってくださいね!』
オイラが手を振ったら、彼女も手を振り返してくれた。

オイラから疲労感と空腹感が消えた。
オイラは板をビーチに運び、リーシュコードをセットした。

何度も何度も何度も何度もローリングスルーをした。
目の前にセットがやってきた。
まわりには誰もいない。インサイドにショートが二人いるだけ。
オイラは一瞬にしてノーズをビーチに向けた。
サイズはダブルある。未経験世界へようこそ!空が笑ってるぜ。
渾身の力でパドルする。ボトムが遥か下に見える。
強いオフショアがノーズからの物凄い量の飛沫を顔に飛ばしてくる。
目の前が見えなくなる。
気がつくとオイラはボードの上に立っていて、後ろ手の右手は波の壁を触っていた。

板を回すなんてできなかった。横に横に、ただ横に滑るだけ。
プルアウトしてまたアウトに出た。
右を見ると波はチューブを巻き、誰かが乗ると周りのショート連中が歓声や奇声を上げていた。

オイラは5本乗った。
1本1本、心に染み込むライドだったので本数を覚えている。確かに5本乗った。

ビーチに上がり、またしばらく海面を眺めた。
大きな海で、サーファーはアリみたいだった。
それは現実だった。本当に人間は小さい。意味もないくらい小さい。
何人かは完璧に波をメイクし、何人かはダンパーの餌食になった。

オイラに安堵の笑みがでた。たぶんにやけていたかも。

波は1億年前も今日も同じようなブレークをする。
社会が動いても波本来の本質は変わらない。
未来永劫であろう波にサーフトランクス1枚とボード1枚。

今日は大自然の脅威に感謝、そしてそしてその波に乗れた自分に感謝。
家に帰ったら、自分へのご褒美は冷たいビールだ。
1万円のビール。そんな値のビール。

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1 コメント

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Unknown (aio)
2006-08-15 19:32:24
突然ですが、muraoさんのお友達の藤沢の若者ウインドサーファーさん、いつもありがとうございます!
最近波乗り日誌になってますが、オイラはウインドサーファーっす!
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