グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

生物を利用した水環境の判断方法。

2012-07-03 18:21:42 | Weblog
生物を利用した水環境の判断方法。

どのような生きものが住んでいるかで、水環境は判断できます。一般
的な判断基準はつぎのようになります。

 ● きれいな水 ・・・カワゲラ・ブユ・サワガニ
 ● 少しきたない水 ・ゲンジボタル・スジエビ・イシマキガイ・カワニナ
 ● きたない水 ・・・ミズカマキリ・タイコウチ・タニシ・ヒル
 ● 大変きたない水 ・セスジユスリカ・アメリカザリガニ・サカマキガイ

また水環境の悪化〔変化〕とともに「まずは生物相が単純化し、そのつぎに
水質に合った特殊な生物の個体数だけが増加していく」こと
も知られています。
ちなみに環境省の資料による底生動物の指標生物を取り上げると次の
ような生物の変化がおこっていきますよ。

カワゲラ→ウルマシマトビゲラ→エルモンヒラタカゲロウ→コガタシマ
トビケラ→力ワニナ→スジエビ→ヒメタニシ→シマイシビル→ミズムシ
→モノアラガイ→オオユスリカ→イトミミズ→サカマキガイ→チョウバエ

と、いった具合です〔アメリカザリガニは このあたり ↑〕。

以上です。


◎  カワゲラが多いほど有機汚濁が少なく、チョウバエやユスリカに
  イトミミズが多いほど有機汚濁が多いものと判断します。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜





生き物の立場から、水の汚れについて考えると。

2012-07-03 15:50:32 | Weblog
生き物の立場から、水の汚れについて考えると。Hすみ

水の汚れには、無機汚濁(化学物質による汚濁)と有機汚濁(家庭や工
場、農地などからの排水に含まれる有機物による汚濁)があります。
このうち有機物汚濁の原因となるものを具体的に説明しますと、食物の
残飯や排泄物などを含んだ生活排水
や、動植物の遺骸などがこれにあた
ります。

生活排水はまだしも、動植物の遺骸などがそんなにあるものなのだろう
か・・・と思われる方もおおいとおもわれますのでたとえば農業生産の
分野を例にとって説明しますと、まずは ナタネ粕や綿実粕、米ヌカなど
が植物質の遺骸
 にあたります。
そして動物質では 骨粉や皮革粉、血粉や鳥の羽、魚粕などが動物質
の遺骸、そして 排泄物由来のたい肥
 などもあります。

これらの有機物汚濁は、適切な処理をおこなったあとで適量を施すのな
ら問題にはなりません。

問題となりやすいのは、 生のまま である場合です。
問題となりやすいのは、 量を考えずに施用する です。

多量に施された生の有機物が、水域に流入した場合に、水環境へ多大な
影響をもたらすことが問題となるのです。

そのような有機物の水環境への悪影響については

 ○ 腐敗することで悪臭を放つ
 ○ ヘドロとして蓄積される
 ○ 微生物に分解される時に水中の酸素がなくなっしまう


ことなどが挙げられます。

このような水環境への悪影響が続いていけば、環境は悪化し最終的に水
環境は破壊されていきます。

無機汚濁(化学物質による汚濁)にとらわれすぎるあまり、まちがった
有機の使用や施肥を推し進めていくものだとすれば、それは確実に生物
の多様性を危うくします〔そしていずれは われわれも〕。


◎ 生物を利用した水環境の判断方法について

水環境の悪化とともに「まずは生物相が単純化し、そのつぎに水質に合
った特殊な生物の個体数だけが増加していく」こと
が知られています。
ちなみに環境省の資料による底生動物の指標生物を取り上げると次の
ような生物の変化がおこっていきますよ。
カワゲラ→ウルマシマトビゲラ→エルモンヒラタカゲロウ→コガタシマ
トビケラ→力ワニナ→スジエビ→ヒメタニシ→シマイシビル→ミズムシ
→モノアラガイ→オオユスリカイトミミズサカマキガイチョウバエ と、
こんな具合。
もちろんカワゲラが多いほど有機汚濁が少なく、チョウバエやユスリカに
イトミミズが多いほど有機汚濁が多い
ものと判断します。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜





農作物には、土地利用型作物と労働集約型作物があります。

2012-07-03 03:47:39 | Weblog
農作物には、土地利用型作物と労働集約型作物があります。

前回の労働集約型作物の典型ともいえるハウスブドウの話しの参考と
して、よろしかったら。。

 ↓

作物には 土地利用型作物と、労働集約型作物があります。

たとえば小麦大豆といった作物が典型的な土地利用型作物です。
機械化の面からいえば、栽培に関する作業のほとんどが農業機械で行
える作物だといえるでしょう。だたし収益をだすためには、いろいろな
農業機械と採算に合うための広い土地が必要
 になります。

反対に、栽培に関する作業の大部分が機械化するのが困難な作物があ
ります。たとえば葉もの類であればホウレンソウネギといった 葉
もの類、果菜類であれば キュウリ・大玉トマト・イチゴにメロン、
そしてお花などです。これらを労働集約型作物といいます。
こちらは農業機械はさほど必要ありませんが、機械化出来ない部分に
投入する労働力が必要
 となります。

そしてこの2つのタイプの作物のうちの 平均な年の価格を例にとり、
数字で表すと、次のようになります。

作物  労働時間/10a  農業所得/10a  労働農業所得/1時間

 コメ  29.2時間     32067円    1100円
 大豆  10.1時間      1595円     176円
 ↑↓
 ネギ 1254.3時間   885000円     706円
 メロン 3100時間   3546000円    1278円


どうでしょう、農業で生産する作物というくくりでは同じ作物ですが、
その実態はまるっきり正反対なものだということが、おわかりになりま
せんか?

このような作物の栽培の実態と、その経営の実態を認識したうえでな
ければ農業改革論を論じられません。どの作物を扱うかで、方法論も
結論も、理想とする農業の姿が変わる
わけですから。

そして・・・なぜ、日本には土地利用型作物を使った農業や労働集約型
作物をつかった農業といった、いろいろな農業が存在するのかを説明して
お話はおしまいです。

 日本は南北にながーい山国。それゆえに気象も多種多様

これが日本にいろいろな農業〔と、いろいろな自給率〕が要る理由です。

 
◎ 土地利用型と労働集約型。この作物の違いが、カロリーベースで
  みる自給率と金額べースでみる自給率の違い
の話にもつながって
  いるというわけですね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染