暴風雨の中の青い人影・・・・レスキューじじいの思い出。
あなたのお住まいの地方では、台風4号の被害はありません
でしたか?
この話は、そんな台風の増水時に体験した出来事なんですよ。
「農家の田畑の見回りの自粛要請」が、農水省からはじめて
だされた今、ある意味逆行するような話ではありますが、ご
参考までによろしかったら。
↓
あれは数年前の台風時・・・生まれてはじめて避難を考えた
時のことだった。
強まる横殴りの雨の、台風のまっただなか、様子をみるため
にすこしだけ開けた雨戸の隙間から、外の様子をみたときの
こと。
「んっ?」
人がいたっ・・・青いパーカを着た人物。
そしてその人物の足元は、すでにクルブシの上までにも水が
あがっていた。
「えっ。こんなに水がでていたんだっ。」
この家に住んでずいぶんになるが、この地区で、これほどの
水がでるのは初めての体験である。奇異におもえるはずの暴
風雨の中の青い人影よりも、窓下の迫りくる水の存在に私は
恐怖を覚えた。
避難したほうがいいと、とっさに判断し、雨戸を閉め、
「4駆の軽トラで避難しないと、水かさが心配だな」と考え
つつ、軽トラのキイを探す。
そんなときだ、叩きつける雨音・風音に混じって、金属音
が聞こえたのは。
「キイー、キキキギ゛ィー」
聞き覚え尾のある音・・・そう、排水溝を、排水溝に詰まっ
たゴミを金属のクマデでかきとるときに出る音だった。
「キイー、キキキギ゛ィー」
音が気になって、雨具を身にまとって外へ飛び出す。
そこでみたものは
金属のクマデを持って溝の排水作業をする青い人影だった!
手馴れた様子で作業する痩せ型の人影。姿勢はいい。
しかし・・・近寄って見たその青いパーカのフードのなかに
は、ご老人の顔があった。
暴風雨のなか、こちらに気付いたご老人は、なにも語らず、
ただうなづくのみ。確信に満ちたうなづきだった。
命令されたわけでもないのに、あわてて、こちらも
家に引き返し、クマデを手にした わたくし・・・。
嵐のなか、排水溝に詰まったゴミを金属のクマデでかきとる
二人。ゴミで埋まっていた水路で行き場をなくしていた水は
意外なほどのスピードで、その水位を低くしていった。
その間、約2時間。
ご老人は、水がひきはじめたのを確認し、一緒に作業しはじ
めてから1時間後にもう一つ先の、別の排水路に移られてい
った。『手馴れたものだ』と、その後ろ姿に、私は舌を巻いた。
いつのまにか台風の風雨は、峠を越していた。
数年たって、台風のニュースを聞くたびに、おもうのだ。
あのご老人はいったい誰だったのかと。
公民館活動をしている手前、ここの公民館の方ではない。
せまい町内。一度もお見かけしたことがない、お顔だったのだ。
あのご老人はいったい誰だったのだろう。
◎ 農家の絶対数が減少していくなかで、“水路の掃除を誰がやるのか”
ということは、これからの 日本社会の課題↓のひとつ となっていく
ことでしよう。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
あなたのお住まいの地方では、台風4号の被害はありません
でしたか?
この話は、そんな台風の増水時に体験した出来事なんですよ。
「農家の田畑の見回りの自粛要請」が、農水省からはじめて
だされた今、ある意味逆行するような話ではありますが、ご
参考までによろしかったら。
↓
あれは数年前の台風時・・・生まれてはじめて避難を考えた
時のことだった。
強まる横殴りの雨の、台風のまっただなか、様子をみるため
にすこしだけ開けた雨戸の隙間から、外の様子をみたときの
こと。
「んっ?」
人がいたっ・・・青いパーカを着た人物。
そしてその人物の足元は、すでにクルブシの上までにも水が
あがっていた。
「えっ。こんなに水がでていたんだっ。」
この家に住んでずいぶんになるが、この地区で、これほどの
水がでるのは初めての体験である。奇異におもえるはずの暴
風雨の中の青い人影よりも、窓下の迫りくる水の存在に私は
恐怖を覚えた。
避難したほうがいいと、とっさに判断し、雨戸を閉め、
「4駆の軽トラで避難しないと、水かさが心配だな」と考え
つつ、軽トラのキイを探す。
そんなときだ、叩きつける雨音・風音に混じって、金属音
が聞こえたのは。
「キイー、キキキギ゛ィー」
聞き覚え尾のある音・・・そう、排水溝を、排水溝に詰まっ
たゴミを金属のクマデでかきとるときに出る音だった。
「キイー、キキキギ゛ィー」
音が気になって、雨具を身にまとって外へ飛び出す。
そこでみたものは
金属のクマデを持って溝の排水作業をする青い人影だった!
手馴れた様子で作業する痩せ型の人影。姿勢はいい。
しかし・・・近寄って見たその青いパーカのフードのなかに
は、ご老人の顔があった。
暴風雨のなか、こちらに気付いたご老人は、なにも語らず、
ただうなづくのみ。確信に満ちたうなづきだった。
命令されたわけでもないのに、あわてて、こちらも
家に引き返し、クマデを手にした わたくし・・・。
嵐のなか、排水溝に詰まったゴミを金属のクマデでかきとる
二人。ゴミで埋まっていた水路で行き場をなくしていた水は
意外なほどのスピードで、その水位を低くしていった。
その間、約2時間。
ご老人は、水がひきはじめたのを確認し、一緒に作業しはじ
めてから1時間後にもう一つ先の、別の排水路に移られてい
った。『手馴れたものだ』と、その後ろ姿に、私は舌を巻いた。
いつのまにか台風の風雨は、峠を越していた。
数年たって、台風のニュースを聞くたびに、おもうのだ。
あのご老人はいったい誰だったのかと。
公民館活動をしている手前、ここの公民館の方ではない。
せまい町内。一度もお見かけしたことがない、お顔だったのだ。
あのご老人はいったい誰だったのだろう。
◎ 農家の絶対数が減少していくなかで、“水路の掃除を誰がやるのか”
ということは、これからの 日本社会の課題↓のひとつ となっていく
ことでしよう。
