春先に多おこるカルシウム欠乏への対処法。K
ハウストマト栽培に限らず、ハウスキュウリ栽培やハウスピーマン
栽培において、気温が急上昇したあとの作物に水分が不足した場合
にあらわれることが多い現象として
果実の尻グサレ症や、より重い症状の先端部分の褐変症
などに代表される 作物のカルシウム欠乏の症状 があります。そ
して この症状が現われることの多い時期としてあげられるのが
● 天候が不安定
● 日照時間が次第に長くなってくる
● 気温、ひいては地温が急激に上昇することが多い
といった春先のハウス内が乾燥しやすい4月の時期というわけです。
ある程度の尻グサレ症の果実の発生はしかたのないものですが、障害
果量が多くなりすぎたり、また作物の先端部分に褐変症が現れるよう
であれば、もちろん対策が必要になります。
ということで、対策としてまず考えられるのは
ハウス内の土を乾燥しすぎないこと
が、大切になります。その方法ですが
● かん水の量を〔冬場よりも〕じょじょに増やしていく
● 内カーテンを上げ下げして日射量を調整する
● 遮光資材を利用する
● 気温上昇による水の蒸散を避けるために、充分に換気をする
といった、こまめなハウス管理が なによりの乾燥防止対策となり、
ひいては カルシウムの欠乏症状の予防対策 となります。
また、気温の上昇とともに果実の太り具合もすこしづつ早くなって
くるわけですから、冬場よりも収穫の間隔をいくぶん短縮すること
も必要になってくるころでもありますね。
といったわけで、なんだか冬場よりも手がかかることになる春先の
ハウス管理です。 けれど厳寒期のなかで果実を成らしてきた“疲
れ”がみえる作物にとっては、栽培者の存在がなによりのお薬・・・
これからのハウス作終盤にかけての良品多収穫のためにも、ここは
こまめな管理をお願いいたします。
なんたって作物は、栽培者にとっての金のなる木 なのですものね。
次回はカルシウム欠乏が起こる原因とその対策を、土の面からより
掘り下げて考えてみたいとおもいます。
ハウス内の高温は、作物の花粉の品質や受粉にも影響します。
35度を超えたときに受粉した果実は、奇形果や果実の肥大
不良を招くともいわれていますよ。また受粉に活躍しくれる
昆虫たちにとっても高温は大敵です。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」