グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

サクラ切るばか、切らぬばか?

2023-03-04 17:46:00 | Weblog
サクラ切るばか、切らぬばか?
日本で人気のあるサクラ、そのなかでもとくにソメイヨシノに致命
的な被害を与えるサクラてんぐ巣病 についての話のつづきです。
この病気は、カビの一種であるタフリナ属菌の胞子が空中に飛散し、
伝染することによって引き起こされる[​こちら​]ことをご説明してき
ましたが、今回はこの病気の対策編となります。

そこで対策です。

菌そのものに効く薬剤のないてんぐ巣病の対策・・・それは病気に
かかった部分の枝を切り落とすことしかありません。胞子が形成さ
れる前、つまり葉がおちている休眠期に
“茎・枝が異常に密生する奇形症状を示す”部分をひたすら切り落と
ことが、現在わかっている唯一で最良の治療法なのです。あした
のジョーの打つべし打つべしにならって、ひたすらに切るべし切る
べしになるわけです〔そしてこれも基本ですが、その切った枝は焼
却処理〕。

そこで気になるのは、このいっけんして原始的とも思える対策の効
果なのですが、この対策を3年間徹底的に実施したサクラの名所の
例では、てんぐ巣病の発生が1パーセント以下になったとのデータ
もあるとのことですから、その効果は絶大ですよね。一般的に こ
の病気が激発した場合には、 そのサクラの名所の羅病樹がじつに
6割を超えることもあるというケースのあるてんぐ巣病なのですか
ら、この1パーセント以下に病気を押さえ込んだというその結果た
るやじつに素晴らしい成果であるといえるでしょう。

そしてこの方法には 忘れてはならないならない大事な点がひとつ
あります。

それは、羅病した枝を切り落としたあとの切り口の処理作業が大切
だということです。。ここに切るときにできたキズを癒す効果や消
毒効果、そしてなにより菌の胞子が侵入しないようにする薬剤を塗
布する必要があるのです。
そうなんです、昔から「桜切るばか、梅切らぬばか」といわれてい
るように、じつはサクラという樹は 枝を切るとその切り口からと
くに腐れが入りやすい樹であるということを忘れてはなりません。

そんなこんなで てんぐ巣病というやまいの蔓延する時代の、現代
版サクラの生育管理に関する格言をつくるとするならば

 ● 切った枝の焼却処理をしないばか
 ● 切ったサクラ〔の切り口〕に薬剤塗布処理をしないばか

といった格言があてはまるということになりそう です。よ。

ということで 英名が魔女のほうき[​こちら​]でもあるサクラてんぐ
巣病について、3回にわけてのおはなしでした。


晴れ 急いでサクラの観光地にしようとしてついつい本数を
  植えこみすぎたり、日照の少ない場所で とにもかく
  にも植えちゃったり などといった、ヒトの はやる
  気持ちがてんぐ巣病を呼び込んでいるという面も、お
  おいに影響しているのかも~ですよ。
  さらには天気、開花期に雨天の多すぎる年では次の年
  の発生が助長されそうです。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




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