グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

この冬、本格的に冬らしくなるにしても、ならぬにしても。

2016-01-15 11:05:55 | Weblog
この冬、本格的に冬らしくなるにしても、ならぬにしても。 

年末年始から1月上旬にかけての、まさにいまの時期は、例年であるな
らば冬の冷え込みが本格的になるはずの時期なのですが、今冬にかぎっ
ては厳しい寒さが何日も続くようなことがありません。

そのある意味異常な気象の影響は、いろいろな農作物の生育に影響を与
えています。

そのような影響のいち例として、一般的なニュースの題材としてとりあ
げられることが多かったのはキャベツやハクサイの葉もの野菜でした。
ときならぬ高温のために病気が多発した畑の葉もの野菜が廃棄されたり、
[収穫期が前進化したためにおこった]一度に多量に市場に出回ったこ
とによる低価格化と採算割れのために、出荷されぬままに畑に鋤き込ま
れて処分される葉もの野菜のようすをご覧になった方もおおかったので
はないでしょうか。

また南九州では、生産者段階での加工まで含まれた栽培の形態[千切り
大根やタクアンなど]である露地ダイコン栽培に大きな影響が出ている
ことが話題となりました。

こちらも ときならぬ高温のために病気になってしまうダイコンが多か
ったのに加え、
労働力を考慮して段階的に収穫していくはずだった[時間差をもって作
付けつけられていたはずの]ダイコンの生育が前進化してしまったので
すから、生産者の苦労はたいへんなもの・・・現時点での加工品として
の生産量は 例年の半分以下になるのではという予想がなされています。

いっぽう ハウス栽培においては

やはり11月からの高夜温の影響は大きく、加えてお天気の悪さ=いわ
ゆる日照不足の影響から、12月下旬の時点においてのキュウリやピー
マン、トマトやミニトマトの花芽の充実の悪さが取りざたされてもいま
した。
ということは、それらの花が果実となる1月下旬からのハウスもの野菜
の質さらには収穫量も減少してくるとみるのが妥当でしょう。

さて、そしてこれからです。

寒波がどこかで襲来するのか?
このまま暖かい1月~2月になるのか? 

誰にも予測することはできませんけれど、今冬が本格的に冬らしくなる
にしてもならぬにしても、現時点ではっきりしているのは

  2月に出荷予定の農作物の収量は低下する
  さらには 秀品率の低下が予想される

という事実です。ということで、こと2月に関するかぎり

 2月の農産物は品薄状態となり市場価格は高値で推移する

のは、まずまちがいのないことかと。

ということで今回は、セオリーとしてやるべき管理をやっておいたほうが、
いざという時に慌てなくてすみますし、備えあれば愁いなし!ということ
になるという農業経営に関するおはなしでした。
     → 管理例は こちら と こちら 。


◎ 9月と11月。このふたつの月に降り続いた長雨の影響に
 ついての、まるで雨季が始まったかのような気候のもたら
 した影響についての回は こちら 。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜