はーい、げんきです。

遠くにいる友達に私的トピックスの紹介。話題はその時その時いろいろ。

皇帝

2010-02-19 21:10:53 | book
 昨日は雪が降ってしまったので、一昨日の続き。
 欲しかった、もう一冊の本は、1968年が第一刷で、増刷されているはずなのだが見つけることができませんでした。
 次は古本屋まわるか、と諦めて帰ってきてから、なんの気無しにアマゾン見たら、古本で出てた。
 そんなもんよね
 で、さっそく頼んだら、もう来ました。

 現代詩文庫 田村隆一詩集(思潮社)

 田村隆一さんが好きというか、欲しかったのは一篇の詩でした。
 続・田村隆一詩集と、続続・田村隆一詩集は書店で見つけたんですが、私が好きな作品は、続が付いてない、古いやつにしか載ってなくて。
 あとはハードカバーの田村隆一全集に入っているんですが、これがまた古本でン万円という高値なので・・・。

 詩集「四千の昼と夜」に収められている「皇帝」という詩が田村隆一さんとの出会いでした。
 やっぱり高校生くらいのとき、当時家で取ってた毎日新聞の余録ではなくて、一面の上の方に名句というかそんなのが紹介されてる枠内で、ある日「皇帝」の一文が掲載されたのです。

 「その人は黒衣をきて戸口を過ぎる」

 という、このなんて事のない十数文字に、一瞬で持って行かれましたね。
 どこがどう、というのはありません。
 とにかく、刻み込まれてしまいました。
 幸い間もなく図書館か図書室で全文を見ることができましたが、それきり。
 久しぶりの再会です
 この本に収められている作品のほとんどは、戦後十年の間くらいに書かれたものだそうです。
 さすがに私だって生まれてませんよ?
 でもなんというんですかね、薄板ガラス一枚隔てて、そこに彼の世界がある、みたいな感じで、そんな昔に書かれたという印象はないですね。
 私には、とても近いところです。
 ああ、実は私自身が古いですか?
 ともあれ、せっかく手に入った古い本なので、大事にしよう、と奥付を見たら、1996年第二十三刷とありました
 で、でも既に14年前の本だ
 
 一昨日の本もそうですが、ちょっと昔に書かれた本には、今は見かけなくなった言葉が詰まっています。そして漢字も。
 確かに、ひらがな表記でも意味は通じますが、言葉の持つ力が弱くなってしまっている気がするのは何故ですかねえ
コメント
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