湯たんぽ、というのがある。昔は亜鉛鉄板製のものがほとんどだったようだが今はプラスチック製のファッショナブルなものや子供向けのものも多く出回っていてちょっとしたブームだそうだ。うちでも私は使わないが家族が使っていて、昔のやり方で直接火にかけてお湯を沸かすので、亜鉛鉄板製のものを利用していた。昔から使っていたのものが壊れたので私が近くの店で3,4年くらい前だったかに買い求めたものである。土井化成というメーカーの製品だった。これを家族が使っていたのだが、先日水漏れがしたと言うのである。そんなに簡単に水漏れがするものだろうかと思った。私は年齢的に湯たんぽというものにはあまり縁がないのである。それで、その湯たんぽをよく見ると、水の注入口などからの漏れではなく、底の部分から漏れたようだった。小さな、直径1~2ミリくらいの穴が開いているのである。きれいな円形の小さな穴である。もうこれは使えないだろうと思ったのだが、なぜこういった穴が開くのか不思議でメーカーに問い合わせた。メーカーの答えはかいつまんで言うと「茶色や白色の穴は、錆が出たものです。おそらく錆が原因で穴が開いたものです」、とのことだった。とにかく錆が原因だそうだ。私はよく知らないので、しかし購入して3,4年で穴が開くなんてことがあるのでしょうか?と書いた。メールでのやり取りである。すると耐用年数は使い方にもよるがメンテナンスをしても4~5年、場合によってはワンシーズンで駄目にしてしまう人もいます、とのことだった。そんなものなのか、と驚いた。一生ものに近いくらいだと思っていたのである。見るとその湯たんぽの底には、平滑ではなくところどころこれも1~2ミリくらいの小さな球形のカスのようなものが点々と付いているのである。本体と同じ材質のもので平滑な面であるはずのところが、そうなっている部分があるのだった。私は始めに見たときこれが原因かと思ったのである。その小さな球形のツブツブはかすかではあるが平滑面から飛び出ているので火にかけるとそこだけ熱せられ方が違って温度も周囲と違って高くなり、ある時ポロリと抜け落ちたのではないかと思ったのである。錆なんかでそんなきれいに丸く穴が開くだろうか、ということを思ったのである。しかし、そのメーカーの答えはそういうことだった。長きにわたり作り続けているはずで回答にまず間違いはないのだろうなと思いはするのだが・・・。平滑面にしておけば錆の影響はあるもののもう少しは長持ちしたのでは、と考えたのだがメーカーの回答はそのことには触れられてはいなかった。
訊いてみて、おおよそのところ、私の想像に反して湯たんぽというものは錆による消耗品に近いものだったようなのだ。その後、新しいものの購入も考えてはみたが、今のところそのまま買ってはいない。使っていた者は、なしで済まそうということのようである。