今の地震で思い出した。当時その下北沢の住宅の工事が進んでいる頃、事務所で遅くまで続いた仕事が終わり、小田急に乗って帰りつつあるときに丁度代々木上原の駅に停車中に地震が起きたことがある。停まったままの電車のドアから眺めるとホーム上の高架の電線が大きく揺れ、短いが大きめの地震であることが知れた。コンクリート打設の数日後のことだった。現場が気にかかり、すぐ次の下北沢の駅で下車し、様子を見に行った。コンクリートの強度がまだ出ていない時期だったが、電気が消えて職人などが帰った後の暗くなった現場を覗くと、しんとして、何事もなかった。何かほっとして拍子抜けした気分のまま、静かなコンクリートの上を少しの間歩き、帰った。
今、地震があった。blogを書いていた。かなり長い間揺れた。始めにじわじわとした地鳴りのようなものが感じられる揺れだった。震源地は千葉だとニュースが伝えている。また詳細は追って伝えられるだろうと思う。津波の心配は無いようだ・・・。フィリピンでのことも含め、いろいろな自然現象が起きる昨今・・・
下北沢を歩いた。買い物を少し。パスタソースなど。
下北沢は30年ほど前に設計に携わった住宅の工事現場があり、
しばらくの間、毎日のように通っていた街。
懐かしくもあるが、その後もよく途中下車して歩くので見慣れてもいる。
当時から街はだいぶ変わった。以前も書いたように最近では線路、踏切が無くなった。
当時昼飯にチラシ寿司ランチを食べに通った寿司屋も今は店はそこにはない。
暖簾と木戸の店だったと記憶している。
珈琲をよく飲んだアンナミラーズも無くなって別の建物になっている。
そこにはあのミニスカートのコスチュームを纏った少しふっくらとしたウェイトレスが、
いつも笑顔でお客に珈琲を運んでいた。
そして、その店にはプランの関係からか、縦にやけに長い、細長いトイレがあった。
用を足すために座ると、ずっと先の方に入って来た扉を見る格好になるのだった。
ある時、そうしてくつろいでいると、扉をノックする音が・・・。
その瞬間ロックをかけることを忘れていたことに気づいたのだった。
だれか見知らぬ人がその扉を開けるまでの、その何とも言えない短い時間・・・。
扉が開き、あっと驚いて突っ立った客としっかりご対面した。
どちらも真面目な顔。こちらはそれで座ったまま。
すみませんと言う間もなく、すぐに扉は締まり、また落ち着いた静寂の時間が訪れたのだが、
ロックをかけに行くには細長いところを歩かねばならない・・・。そんな感じ。
多くの人が忙しく、そんな間の抜けたようなことがいろいろ、あった。