昨日はたまたまだったが13日の金曜日だった。子供の頃、誰が言いだしたのかは知らないけれど、13日の金曜日は何か悪いことが起きるという噂が学校で流れたことがあった。その時、丁度13日の金曜日だったのだ。まだ小学生で、クラスはその話でもちきりだった。その頃、給食の脱脂粉乳が牛乳に変わってこれもまた嬉しくて騒いでいた。なんでも騒いでいたのである。アルマイトの器に注がれた脱脂粉乳が瓶入りの牛乳に変わったのは子供にはとても新鮮だったのだ。
昼頃まで何事もなく過ぎていたのだが、給食当番がその瓶牛乳の詰まった箱を教室へ運ぶ途中で、何かのはずみで床に落としてしまったのだ。当時は給食室というのが別にあっておばさんたちがそこで立ち働いていた。そこからクラスの当番が教室まで給食を運んでいた。注ぎ分けるのも当番がやっていた。床に落ちた箱の中で瓶が割れ、大騒ぎになった。13日の金曜日だ、というヤツもいて更に騒ぎは広がったのだが、だいたいそういう時に必要以上に大騒ぎするヤツは決まっていた。
先生も出動したりして、ひと騒ぎあったその後、ほどなく給食のおばさんが余っている瓶を補充してくれて、事なきを得たのだった。