
山頭火のモノローグ
鳥のように、獣のように、
せめて虫のように死にたい、――
わしにふさわしい死に場所を求めて旅に出るのだ。
―― 山頭火!
ルンペンはのう、ぬくい四国が好きだ、
あの放哉も四国の小豆島で死んだ。――
伊予の国だ、
昔、八十八ヶ所を巡礼したことがあるが、
人が親切で貰い物が多かった、
―― 芋、だんご、米、――
松山だ、――
正岡子規、高浜虚子、その他のよき俳人はみな松山の人々、――
あの風土が俳句的にできているのだ。
この身の故郷を捨て、心の故郷を求めて、
―― 松山へ、行こう!