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名も無きねこに

カンディード逆上 いいぞ、鞭打ち

2010-04-14 19:50:43 | わたし
『まいにちフランス語』(応用編 : 澤田直)で取り上げられるので、
いい機会だと思い『カンディード』を植田祐次の翻訳で読み始めた。
が、休み無く軽やかに鬱展開が続いて、読んでいるとへこむ。

ヴォルテールはそんなにライプニッツ嫌いだったのか?
確かにモナドロジーは馬鹿っぽかった(いや、哲学的な意味ではなく)。
何故だか、「世界はモナドから出来てんだよ!」とか
口走ってしまうくらい学生の頃はまったけど。
一緒になってモナド万歳ぐらい言ってそうなイメージだったんだけどな。
ヴォルテールも。

散々な目にあってきたにもかかわらず言い回しは控えめだが、
ようやくカンディード君が普遍理性を介さずにしゃべった第九章。
スマートな彼の言い回しが気になって調べた原文と、訳文を書き留めておく。


 「どうしてこんなことをなさったのです。生まれつきあんなに温厚なあなたが、またたく間にユダヤ人と偉い聖職者を殺してしまうとは」(キュネゴンド嬢)
 Comment avez-vous fait, vous qui êtes né si doux, pour tuer en deux minutes un Juif et un prélat?

偉いとは言ってないような・・・気もしたが、
prélat n.m. : 高位 [聖職] 者
だったので、それを汲んでか。

 「美しいお嬢さま」と、カンディードは答えた。「恋をし、嫉妬をし、宗教裁判所に鞭打たれると、逆上してしまうものです」(カンディード)
 Ma belle demoiselle, répondit Candide, quand on est amoureux, jaloux, et fouetté par l'inquisition, on ne se connaît plus.

ne se plus connaître : 我を忘れている, 逆上している
なるほど。

いいぞ、カンディード!
コメント
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