ゾウムシ出た!

 先週、息子が食器棚の横にしゃがんで、「なにこれ」と床を指差し言うので見てみたら、どんぐりの中から出てきたゾウムシの幼虫だった。外は寒いので気の毒だけれど、しょうがないから出てもらったその翌日に、食器棚の横のまったく同じ場所で、またぷにぷにした白いゾウムシの幼虫が転がっているのを発見したので驚いた。どんぐりから出てきた幼虫は、本能にしたがって同じようなルートをたどるのかしらと思っていたら、数日後には今度は別の場所に幼虫が落ちていた。家には、息子が植物園とか山とかへ行くたびにポケットいっぱい拾ってきたどんぐりがあるから、その中に虫が入っているのが結構あったとしてもおかしくないけれど、どのどんぐりから出てきたのかと思っていたら、壁際に置いてあるCDラックの裏に、いつのまにかクヌギのどんぐりがいくつか転がり落ちていて、拾い上げてみると、その半数くらいに穴が開いていた。
 そのさらに次の日くらいに、食卓の端っこをちょこちょこと歩いている小さな虫がいて、息子がこれなんだと聞くのでよく見たら、可愛らしいゾウムシの成虫だった。たぶん、数週間前にどんぐりから出てそのまま行方不明になっていた幼虫が、家のどこかで蛹になって、無事羽化したものだろうと思う。幼虫の大きさから考えたら当然だけれど、なんとなく想像していたよりもずっと小さくて、よくよく見たら、ゾウの鼻に見えないでもないような口吻がちょっとついたとても可愛らしい虫である。我が家で羽化してくれたことはうれしいけれど、部屋の暖かさのせいで、出てくるのが少し早すぎたんじゃないかと思う。
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