暗転中、
私がどんな格好で、
道具を運んでいたかというと・・・、
着物の裾をガバッとはしょり、
身八口(そでの開いている部分)から腕を出し、
そでを後ろで結ぶ、という、
着物でありながら、ミニスカート、ノースリーブ状態。
それでいて、足袋だけは履いていたりして。
どうしてもイメージできない方は、
「どじょうすくい」をうんと見苦しくした感じ、
と思って下さい
もし!
明るくなった舞台に、そんな存在が、
テーブル抱えて立ちすくんでいたら・・・、
お芝居は完全にそこで終わります
あわててテーブルを置いてハケて、
あとから何事もなかったように、
奥様の役で登場したとしても
もうリアリティのカケラもありません。
というより、
たぶんそれだけで大爆笑でしょう。
それだけは絶対に阻止せねば
ということで、
必死の裏方をやっておりました。
テーブルを抱えて階段を上がり
んんんんテーブルぅぅぅぅぅぅ、置いたぁぁぁぁぁぁ。
で、またどどっと階段を降り
両腕に椅子を抱えて、
うぐぐぐぐ椅子ぅぅぅぅぅぅ、置いたぁぁぁぁぁぁ。
そして、また階段を駆け下り
楽屋で、そでと裾を直し、髪を整え、
何事もなかったように舞台に出て行く。
こんなことをやってたんです。
もちろん、ぞうりなんか履いてたら危ないし、
時間もかかるので、足袋のままです。
で、
やってしまったんですね~。
・・・履き忘れ
(つづく)