これは、いつもの「ウラ話」のひとつとして、
いずれ書こうと思っていたんですが、
書こうとしたときに、「将門」の再演が決まり、
そのままになっていた話です。
いや~、すっかり過去になってたから書けたんですけど、
再演をやったおかげで、
また、あの、じっとりとした冷や汗がリアルに思い出されて、
なんか、書きづらい気分でもあります。
でも・・・、いいや、書いちゃえ!
今度、主宰に会ったら、何かひと言、言われそうだけど・・・。
以前のウラ話で、ぞうりを履き忘れて出た、
なんてポカをバラしたことがありましたが、
ぞうりの履き忘れなんて、
かわいいもんです。
実はたった1度だけ、
本気で青ざめたポカがあって・・・
それが「将門」の初演のときだったんです。
正確に言えば、ポカ寸前、なんですけど。
どうして、あんなことになったのか。
魔が差した、としか言えません。
(と、先に言い訳しておく)
このところ、ずっとブログに書いているので、
ご覧頂いてない方も、どんな感じのお芝居か、
ご想像頂けるかと思いますが、
私は、シンプルな衣裳の上に、
長くてうすーい「打掛け」をまとい、
隈取りのようなメイクをして、
頭には藁で編んだかぶり物をかぶり、
かなり怖い(つもりで)、
魔女のような「巫女」をやっておりました。
能のような舞を舞って、人々を操る、なんて役を、
ノリノリでやっていたんですが、
そのときに必要だったのが、
羽衣のように、ふんわりと身にまとう「打掛け」。
これが「妖しさ」を演出する、大切なアイテムでした。
慣れない舞を舞うのと、
慣れない怖い役のプレッシャーで、
(結局、やっぱり、合わないんでしょうね)
毎回、いつも以上に張りつめて、
本番に臨んで・・・いたはずでした。
言い訳をすれば(また言い訳かっ!)
そのときの履物が足に合わず、
巻爪になって皮膚科で切開してもらった、
その日だったんですね。
で、足の指の痛みは確かにあったんですが、
まっ、所詮、これも言い訳ですね。
(だから、言い訳するなって!)
いや~~、
ホントに「魔が差した」としか表現しようがありません。
(つづく)