初演の「将門」も、同じ役で出ていた私は、
やはり、お芝居の後半で、怪しい舞を舞いました。
途中でメイクも変え、どんどん怖くなった私は、
早めに舞台そでにスタンバイして、
むずかしいセリフ(呪術師ですから)を、
ブツブツと復習しながら出番を待っていました。
「さぁ~、もうすぐ出番だ~。
足が痛いのを気づかれないように舞わねば・・・」
で・・・、
ふ・・・っと、
自分の衣装の袖を見たのです。
本当に、ふ・・・っと。
・・・で・・・、
・・・ん?・・・、
・・・なにかヘン?・・・
・・・いつもと違う?・・・
自分の目に見えているのは、
いつも下に着ている茶色の衣裳。
・・・ん?・・・
私・・・打掛けは?・・・
・・・打掛け???・・・




(つづく)