実は、我々役者にとって、
本当に怖いのは「霊」ではないんです。
本当に怖いもの・・・今回もいろいろありましたが、
たとえば、コレ、ですね。

<ホントに怖い生理現象>
何が怖いって、生理現象ほど、
怖いものはありません。
咳とか、くしゃみとか、
自分では、いかんともしがたいだけに、
舞台上でおこると、
本当にどうしようかと思います。
そして、
その最たるものが・・・やはり尿意で・・・。
私以外の4人は、舞台上で、
ビールや缶チューハイを飲みました。
普通の芝居なら、中身は入れ替えるのですが、
今回は、あれ、本当のアルコールだったんです。
舞台上で本当にアルコールを飲ませるなんて、
まずないことなだけに、
酒飲みにとっては、またとないチャンス。
そこで張り切ったのが、
酒好きで、お酒に強いアフリカン寺越くんで。
自分の缶ビールはあっという間に飲み干し、
それでも足りずに、
恋人役のまちこちゃんの、缶チューハイまで、
飲んでしまうという、やりたい放題。
飲まれてたまるかと、
まちこちゃんがずっと缶を握っていても、
一瞬離した隙に、取っていってしまうという(笑)
私は裏にいるので、
その攻防戦は見られなかったんですが、
なかなか熾烈だったようです。
でもね・・・、
そうなるとね・・・、
待っているのは・・・。
ある日のこと、公演が終わって、
これからカーテンコールというとき。
先にはけた私が、裏に待機して、
ラストシーンまで出ている4人を待っていると、
突然アフリくんが、すごい形相で、
楽屋に続く階段を走り下りてきたかと思うと、
待っている私の横を、
通り過ぎていくではありませんか!
「ちょっと! どこ行くのよ!」
「すぐ戻る!」
と捨て台詞を残して、
すごい勢いで消えました。
行くところはわかってます。
だけど、カーテンコールの出番は、
あっという間に来ます。
「カーテンコールまでに戻れるかな?」
「無理でしょー」
という予想通り、
なぜか1人足りないご挨拶に。
カーテンコールでのおしゃべりが始まってから、
なぜか1人、列の中に入ってきたのでした。
ラストシーンは、かなり長時間のストップモーション。
きっと体が震えてたんだろうな(笑)
ただ、この劇場の構造上、
同情すべきところも、なくはなかったんです。
<つづく>
「ご不幸」舞台写真より



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