望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ご不幸ウラ話・・・いろいろあった「怖い話」<その7>

2016-10-14 20:37:14 | 舞台・ウラ話

<笑いが怖い>

生理現象よりも何よりも怖いもの。
・・・それはお客様なんですね。

もちろん、常に一番怖い存在なんですが、
時によって、
また違う怖さが現れることもあって・・・。


今回、どうしようかと思ったのは、
お客様の笑いでした。

笑ってもらって困る、なんて、
こんな贅沢な話はないんですが、

一度、
やたらと笑いの多い回があったんです。


何人かのお客様が、かなり笑う方で、
もう本当に、何やっても笑いがくるんです。

もちろん、笑いをとるシーンもたくさんあるので、
前半は、

(うわ~、楽だな~、ありがたい)

と調子にのっていたのですが・・・。

なんというか、
坂道を駆け下りて、止まらなくなっちゃう感じ?

ここは絶対に静まり返って、
おい、こいつ、ヤバいぞと、
固唾をのんでいただきたいシーンで、
なぜか、数人のお客様が大爆笑 

客席全体が、
ぎくしゃくした空気になってしまって。

(どうしよう・・・)

正直、そう思いました。


自分たちで解決できることならいい。

でも相手はお客様。

だけど、このまま笑い続けられたら、
この芝居、成立しなくなっちゃうぞ

(ここは気持ちを静めてもらうしかないな)

間のびするのは怖いけど、
笑いがおきるよりマシと割り切って、

間を長くするなど、少し芝居を変えながら、
冷静になって頂けるのを待ちました。


おかげさまで、
だんだん落ち着いてこられて、
ホッとしましたが、
こういう怖さは初めてでした。


楽しみ方は人それぞれなので、
こちらが文句を言う筋合いではありませんが、

芝居が、
こちらの意図と違う方向に行ってしまうと、
他の大勢のお客様に迷惑になる。
難しいですね~。


完全なコメディをやっているときに、
滑りまくって、客席が静まり返る、
あの情けなさは、夜中にうなされるほどで、

それを思えばありがたいんですが、

そうは言ってもね。

お客様の笑いを貯めておけたら・・・って、

切実すぎて、これは笑えないわ(笑)


「役者殺すにゃ刃物はいらぬ。
 あくびのひとつもすればいい」

昔の人はうまいことを言ったもんです。


   <つづく>




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