生理現象は仕方ないとはいえ、
カーテンコールに遅刻するという、
とんでもないことをやらかしたアフリカン寺越くん。
ただ、たぶん、運も悪かったんだろうなと、
ちょっとだけ同情の余地もありました。
というのも、
劇小さんは、楽屋にトイレがなく、
私たちも、ロビーのお客様用トイレを使います。
でも、開場してお客様が入られたら、
役者は絶対にお客様の前に出られません。
そこで、ロビーにお客様がいないことを確認して、
ドドッとトイレに走り、
また、ドドッと戻ってくるんです。
ところがタイミングが悪く、
ずっとお客様がロビーにいらしたり、
よし行こう!と思ったとたん、
遅れてきたお客様が入ってこられたりしたら、
行けない・・・
仕方ないと舞台に・・・出たら出たで、
またビールを飲んで追い打ちをかけて。
その上、ずっと出ずっぱり・・・。
これは、かなりキツかったと思います。
だけどね!
それなら、人のまで飲まなきゃいいでしょ!
とみんなで突っ込んだのは、
言うまでもありません。
そして、私の方は、
まったく別の生理現象がありました。
ある回の、私が固まっているシーン。
これから箱を投げ飛ばす、
嵐の前の静けさのとき。
突然、涙が出始めたのです。
たしかに、かなり目を見開いていたとはいえ、
これまでも何度もやっているシーン。
一度も涙なんて出たことなかったのに。
体調だったり、そのときの乾燥具合だったり、
いろいろ原因が重なったんでしょうが、
猛烈にアセりました。
何が何でも、絶対に、
ここで泣くわけにはいきません。
もし涙が出て、それがポタッと落ちたら。
・・・そして万が一、それをお客様に見られたら、
ホラーではなく、
「かわいそうな大家さんのお話」になってしまう。
だからといって、
固まったままでいる姿を見て、
「どうなったんだ?」と注目されているシーンで、
体を動かすわけにもいかず
目を微妙な半眼にして、
投げ飛ばしの番が来るまで、
ひたすら祈るように待つばかり。
はい、おかげさまで、
何とか「涙ぽとり」は回避できました。
動き始めれば、ちょっとした涙くらいは、
簡単にゴマかせますから。
・・・と、ここまでは生理現象。
実は、こんなに怖い生理現象以上に、
怖いものもあるんです。
何よりも怖いもの。
それは・・・・・・。
<つづく>
「ご不幸」舞台写真より
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