日々、あんのん。

からだの育ちの凸凹、学習のスタートラインにつけない人のもっと学びたい、発達したいを応援します。

沖縄上陸!その2

2019-01-20 08:51:14 | 発達応援
さて、講演会の後は、講座です。



かなり広い会場だったのですが、ぎゅうぎゅうに敷き詰められて行くヨガマットやタオル。たくさんの方が待ちに待った講座だったのがうかがえます。

実技講座の最初は栗本さんでした。
講座は新刊の『自傷・他害・パニックは防げますか?』の内容を実技を踏まえて、より深めることができる内容でした。

お子さんや自分が関わる方がパニックに陥っている状態は、見ている方もつらいものです。

栗本さんは、「パニック」という状態をおさめることを目的とせず、パニックはどうして起こったのかに目を向けることやパニックを起こしにくい身体を作っていくことの大切さを提案してくださいました。

そして、とても具体的にその方法を教えてくださいました。またこの方法が、家でできることばかり!

そして、身体を作ることは、外側も大事だけれど内側も大事ということで、ご自身が学び、実践していることの参考文献も教えてくださいました。

栗本さんの教えてくださることはハウツーではありません。それぞれがお家に持ち帰り、お家に合ったやり方で実行できます。

その結果、自分の家ではどうだったか、どんな工夫をしてみたか、うちにはこんなところが合わなかったからこうしてみたよ!そんなことを言い合えるとどんどん治り方が加速するんじゃないかなぁ、とそんなカスタマイズ自由な楽しい実践を思い浮かべられる楽しい講座でした。

濃厚な時間は過ぎるのが早いもの。次の廣木先生の講座もあっという間の時間でした。

廣木先生も前述の新刊を踏まえて、文字だけではわかりにくい実技を教えてくださいました。

私も教室で出会うお子さんが、慣れない場所のせいやその日のコンディションによって、びっくりするほど動き回ったり、手当たり次第に物を投げたりする場面に遭遇することがあります。仕事柄、急に止めることなどはしませんが、時として、落ち着かせた方がいいだろうな、と思うことも多々あります。また、以前学校で仕事をしていたときに、自傷に走る子もいました。

そんな経験もあり、廣木先生の「自他護身」の「護道」の体の使い方は身につけておきたいと思っていました。ただ、本を読んでイメージしたり、家で相手をしてもらいながらの実践だけでは、常に「いいのかな?」がつきまとっていました。

今回、その霧がスカッと晴れたことはなによりも収穫でした。また実践を学びながら、「護道」は運動能力と関係なく、さらに武術や武道に疎くてもできるものだ、という確信も得ることができました。

「護道」はつかわないのが一番ですし、使ったとしても相手を押さえ込んだり、ましてや服従させるために使うものではありません。

私が使わない方がよい「護道」を学ぶ理由は、「護道」を通して自分の身体への発見があり、自分の身体が整う感触があるからです。これは栗本さんのコンディショニングでも感じることです。

思いもしなかった身体の使い方を知ることは、凸凹っ子たちが、不器用に動きながらだんだん、自分で動きやすいような動き方を獲得していく過程ときっと同じです。わくわくします。

本を読んで、沈思黙考するよりも、わくわくしながら動いてみる。わからなくてもいいから、ああでもない、こうでもない、と動いてみることが大切!そんなことを感じた時間でした。

帰ったら、忘れないうちにとりあえずやってみよーっと!ととにかく動きたいな、と思いました。

充実の沖縄の講座は、あっという間に終了しました。

講演会、講座のを主催してくださったIMUAの皆さん!本当にありがとうございました。




沖縄上陸!

2019-01-20 07:41:18 | 発達応援
昨日から沖縄に来ています。
夫の実家がその手前の方の沖永良部島ですが、
ソノサキには行ったことがありませんでした。

初上陸の日は、初夏のような陽気。
薄いTシャツ一枚でも、
おいしいソーキそばを食べたら汗ばむほどです。

さて、沖縄に来た目的は、三匹の侍ならぬ、
花風社の三人のおっさん揃い踏み+浅見さんの講座&講演会があったからです。



こんな有益な講座講演が一気に受けられる機会はまたとありません!行くしかないでしょう!と申込みをしました。会場では、やはりこんな機会はない!と思われた九州での栗本さんの講座の常連の方とお会いしました。

この講座には、沖縄の地域のお子さんや凸凹があってしんどい方々に治ってほしい!という主催者さんの並々ならぬ思いを感じました。そうでなければ、こんな豪華なセッティングはありません。
社会で必要とされることをリスクを承知でする方の姿に、同じく講座を主催するものとして頭が下がる思いでいっぱいでした。

そんな思いを抱きつつ、5時間に渡る講座講演会が始まりました。

最初は榎本さんと浅見さんの講演会です。

浅見さんは、ご自身と自閉症、発達障害との関わりの歴史から現在のスタンス=ギョーカイ潰そうに至った経緯をざっくりとお話しされました。

発達障害の人から裁判で決着をつけねば収まらないような執拗な嫌がらせを受けた浅見さん。それでも自閉症や発達障害の方々との「真剣に共存を考える」というスタンスを貫ぬく浅見さん姿には「この人たちは、きちんと言えばわかる人たちなのです。」という相手への当たり前の敬意があります。そして、きちんと一般社会で働くものとして社会的役割を果たそうという気概を感じるお話で、私も自分の役割を改めて考えさせられ背筋が伸びる思いでした。

そのような浅見さんの話を受け、次は榎本さんの講演です。

榎本さんのお話は、ご自身の警察官だった経験を踏まえての人との接し方、そして何をもって「問題行動」と考えれば良いか、の明確なヒントを下さったお話しでした。

途中、かなりできる警察官だった榎本さんが警察の外に出たら「こんなはずじゃなかった!」という思いを抱きつつ日々を送るお話。これは私が過去、そして日々接している凸凹っ子や大人の凸凹さんがよく抱いている思いとリンクしていて面白いと感じました。

榎本さんの『元刑事が見た発達障害 真剣に共存を考える』という本は、凸凹っ子たちが犯罪者にならないための本ではなく、自由に生きるために知っておいた方が良い本です。そして、親御さんや支援をする側も、何でもかんでも問題行動と介入するのではなく、どのレベルになったら止めるかが明確になります。親子が、支援を受ける側とする側が疲弊摩耗せず共存するための必読書だと改めて感じた講演でした。

つづく