ヘコまされた被害者&その家族と不登校児童・生徒&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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滋賀県秦荘中柔道部傷害致死事件~国家賠償法上,公務員の個人責任は一切ない?

2015年02月08日 07時20分53秒 | 相続
朝日新聞によると
 『滋賀県愛荘(あいしょう)町の町立中学校で2009年、柔道部の部活動中に中学1年の男子生徒(当時12)が死亡した事故をめぐり、生徒の母親が当時顧問だった男性に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は5日付の決定で、母親の上告を退けた。
 この訴訟では、一審の大津地裁が元顧問の過失を認め、愛荘町に約3700万円の支払いを命じる一方、元顧問個人への請求は「公務員個人は責任を負わない」として退ける判決を出した。これに対し、母親が元顧問だけを相手に訴訟を続けていた。
 昨年1月の大阪高裁判決は、一審に続き元顧問の過失は認めたが、賠償責任は認めなかった。最高裁も二審の判断を支持した。
 二審判決によると、男子生徒は09年7月、元顧問に返し技を掛けられて倒れ、約1カ月後に急性硬膜下血腫で死亡した』とのことです。
 このニュースは,昨日の「剣太の会in大阪」で,この被害者のお母さんから報告されました。
 この,国家賠償法上,公務員の個人責任は認められないか,については,以下のように法律に規定があるわけではありません。
☆国家賠償法
 「第1条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
 2 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
  第2条 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。
   2 前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。
  第3条 前二条の規定によつて国又は公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合において、公務員の選任若しくは監督又は公の営造物の設置若しくは管理に当る者と公務員の俸給、給与その他の費用又は公の営造物の設置若しくは管理の費用を負担する者とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる。
  2 前項の場合において、損害を賠償した者は、内部関係でその損害を賠償する責任ある者に対して求償権を有する。
  第4条 国又は公共団体の損害賠償の責任については、前3条の規定によるの外、民法の規定による。
  第5条 国又は公共団体の損害賠償の責任について民法以外の他の法律に別段の定があるときは、その定めるところによる。
  第6条 この法律は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り、これを適用する。 」
 あくまでも,国家賠償法の解釈として,公務員の個人責任は一切認められないとしている(最高裁判所が)のです。そして,この判例は,変更される気配がありません。
 なので,被害者としては,国家賠償法上,公務員の個人責任は認められるべきだとは言わずに,具体的な事件において,問題となった公務員の行為は,もはは「職務」として行われたものではなかったと主張すべきだと思います。ただ,この主張をすると,今度は国(都道府県)の責任は一切認められないことになる可能性がありますが。

コメント
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