ヘコまされた被害者&その家族と不登校児童・生徒&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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訴状を受け取らない被告への対応

2021年10月29日 06時17分19秒 | 相続

 民事裁判は,原告(被告を訴えた人)が「訴状」と原告の主張を記載した書面を裁判所に提出することで始まります。そして,裁判所は,第1回の裁判の日時を決めて,原告から出された訴状を被告(原告から訴えられた人)に送ります。

 この訴状を被告が受け取られないと裁判は始まりません。

 ある事件で,裁判所に提出した訴状等が被告に届かず(平日に配達したら,誰も出てこず,郵便局で保管していたところ,その保管期限が過ぎたので,裁判所に)返ってきたことがありました。そこで,次は,休日に配達(法律用語では「送達」と言います。)してくださいというお願いする上申書(おかみに申し上げるというものです。)を裁判所に提出しました。

 もし休日に配達しても,被告が住所地に住んでいるにもかかわらず訴状を受け取らない場合は,裁判所が訴状等を書留郵便で改めて送り,送ったことで(受け取らなくても)送達されたものと扱う方法を取ることになります。これを「郵便に付する送達(ゆうびんにふするそうたつ)または「付郵便送達(ふゆうびんそうたつ)」と言います。ただ,この「郵便に付する送達」にするには,原告側が,被告が現実に訴状記載の住所地に住んでいることを調査して,その報告書を提出して,「郵便に付する送達」を行うよう上申する必要があります。この調査は普通,弁護士が行うことになります。そして,被告が訴状記載の住所地に現実に住んでいるかどうかの判断は裁判所書記官が行います。どの程度の調査で被告が訴状記載の住所地に住んでいると書記官が認めてくれるかは,判断基準が個々の書記官でマチマチなので,簡単には見通せないのです。

 そして,「郵便に付する送達」が行われた場合、裁判所が書留で訴状を発送した時点で送達できたという扱いになるので,その後は、通常の民事裁判と同じ進行,つまり,普通は被告が出席しないので,欠席判決になります。要するに,原告の主張が,全部,認められるということになります。

 とにかく,裁判所から送られてきた封書は速やかに受け取って,中身を確認するべきです。

 

 
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