最近EF58の写真を振り返り、錆び付いた記憶が少しずつ戻ってきつつあるが、今こうして改めてEF58を語る時、北から南まで直流区間にほぼ配置されていたゴハチの中で、最も美しい機体が配置されていたのは、宮原機関区だったのではないだろうか。
本格的に番号を意識して撮影を始めたのが1978年だから、およそ引退するまでの6~7年の間で印象深いEF58は宮原区に多かったことが思い起こされる。もちろんアントンK自身の私感だが、車体の手入れが良く比較的綺麗なカマが多かったと記憶している。それに正面窓の原型の機体を数多く配置され、大窓機の43・47・53号機などは、同区で最も人気のカマたちであり、上京の際には気合が入って撮影に出た思い出が甦る。でもどちらかというと、アントンKには、原型小窓機達が一番ゴハチのイメージに合い、大窓機とは別の魅力を感じていたことも事実なのである。特に宮原には、90番台のカマや、125・126・127・146・150等の原型小窓機が当時在籍しており、「美しいEF58は関西に在り」と思いをはせていたのである。
掲載写真は、東海道線のEF58としては末期になる1984年の冬の画像から。この年は、例年になく寒かった年で、関東でもよく雪が降り撮影に忙しかった年。白く凍てついた函南の築堤を美しい宮原のゴハチが上ってきた。
1984-02-04 荷32ㇾ EF5896 東海道本線:函南付近にて