SLブームが終わり、そのままゴーナナ・ゴハチへとブームが移行したのは、80年代初頭くらいからか。EF58は台数も多く、形態もさまざま、ほぼ全国に配置されていたから、夢中になるのは簡単だったが、当時は雑誌からしかゴハチの詳細等はわからず、運用も同じで付属の1時間目ダイヤをコピーしては、色を付け追っかけていたことが懐かしい。ゴハチの形態についても好みは様々で、廻りの友人たちの自己主張が激しかったが、アントンKは、あそこまでの拘りがなく、結構冷めた目で見ていたのかもしれない。それより、ゴハチの走行写真を撮影できること、もっと言えば、仲間たちと一緒に線路端に立てるだけで満足していたとも言える。何より、友人たちのウンチクが楽しく、当時よりこの鉄道撮影の楽しさを決定づけたからだ。
当時、まだゴハチ大窓機は、そこそこ残っていて、我々の間では、53派と69派とに分かれ、31や64は次点だったように思う。もちろん61号機は別扱いだったが、そんな中へそ曲がりのアントンKは、北のゴハチである35や90あたりが好み、増してや当時、ファンには見向きもされなかったEF80が好きだったのだ。ゴハチに関するエピソードは多々あるから、今後機会があれば披露していきたい。
掲載写真は、我々の間で人気を二分していた片割れのEF5869号大窓機。実寸で本当に一番大きい窓なのが、この69号機らしい。この時は、一時的に米原区に貸し出しとなったEF5869が、荷物列車で東上するシーン。地べたにへばりついて見上げて撮れば、より窓が強調できるなんて馬鹿なこと考えて撮ったもの。何とも懐かしさが込み上げる。
1980-09-05 荷36ㇾ EF5869 東海道本線:湯河原付近