春のダイヤ改正を前に、山手線を走るE231系電車が最後の1本となり、離別のヘッドマークを掲げて連日走っているという。いよいよ引退の日が近いという証なのだろうか。
アントンKには、最近の電車はどれも同じに見えてしまい、興味が沸かず馴染まないのが正直な気持ちだが、都心を走り回る代表格としての山手線は、やはり関東の東京の電車の象徴だろう。どこへ出向くのにも関わっていた山手線だが、だからと言って趣味的見地からしても対象外となってしまう。このE231系電車も、山手線を去った後は、また何処かの線区で第二の人生を歩む訳で、いまはそのはざ間に当たり、この繰り返しを何度も見てきた。
昔の電車は、目を閉じていても、その音や揺れ、匂いでどんな電車かが解ったもの。国鉄型にしろ、私鉄電車にしろ、それは同じでどれも個性があり、乗車する一瞬にも常にドラマがあったのだ。それを思うと今の電車は・・・
今回は、山手線の話題に合わせて国鉄時代の、それもアントンKとしては駆け出しの時代のものから掲載しておく。当時、友人と101系と103系はどちらが優秀か?などと激論を交わし、刺激し合った時代のものだ。五反田駅からホームを出ていく103系電車を狙ったものだが、ちょうど内回り電車の接近が判り、ファインダーを振り欲張って両方の列車を写した時のもの。おかげで前面ガラスに架線柱の映り込みが出てしまった失敗作。もちろん当時は、現像するまでは解らず、上がってからがく然とした思い出深い写真なのだ。瞬時の判断だから、これ以上は当時のアントンKには望めるわけなく、こうして40年以上の時間が経って姿を現した画像なのである。
1978-08-05 山手線103系電車 五反田駅にて