毎年恒例となった、年末年始に見られるEF64の4重連単機回送が今年も運転されたようで、ネット上を賑わせている。アントンKも数々の画像を見ることができたが、こんな単機回送でも、撮影者はかなり集まったらしい。有名撮影地では、ひな壇ができたとか・・・今回は国鉄色に戻った機関車4台が組んだといったも、そこまでして撮影する被写体だろうか。アントンKには全く思えない。前出の記事でも触れたことだが、正月輸送の影響で発生した珍しい列車には違いないが、わざわざ出向いてまで撮影する気持ちにはなれなかったのだ。この手の単機回送は昔から存在していたと思うが、それにマニアが集中するのは、魅力的と感じる被写体が枯渇している証拠なのかも。特にお若いファンには、国鉄型電機というだけで全て許せてしまうのかもしれない。まあ大変な時代になったものだ。
正月明けになると、毎年気にかかるのが春のダイヤ改正の話題。最近になり報道もされているが、「踊り子」に新型電車E261系が投入されるのはご存知の通り。現在、数々の試運転を熟しているようで、お目にかかることも多くなった。またJR貨物の機関車に目を転じれば、これまた近年にない大きな変化が訪れそうな気配で、機関車の運用面や、個々の列車にも廃止の波がやってきそうなのだ。日頃、記録写真に徹しているファンは、これから改正日までが最後の勝負となるだろうか。地道に撮影に励みたいところではあるが。
今回は、4重連の単機を話題にしたので、上越時代のEF641000の貨物列車を掲載。好きだったEF16を駆逐した張本人がEF641000だったが、EF57を追いやったEF58のような感覚とは違い、新製時から見てきたこのEF641000には、どこかしら愛着があった。比べれば0番台の方が好みだが、別形式と言ってもいいほど変わって登場したEF641000番台の力強い魅力は、当時から今も同じように感じている。新清水トンネルに入る手前、谷川岳からの吹き下ろしに耐えながら、いつ来るかわからない列車を待ち、ようやく接近を知らせる警音が鳴り響くと、体内にアドレナリンがあふれ出し熱くなる。凍り付いた機体の重連が、モノトーンの世界へと消えていく。これこそEF641000番台に相応しいシチュエーションだろう。
1982-02-07 3771ㇾ EF641008+1028 JR東日本/上越線:水上-湯檜曽