かつて身延線の富士宮を目指して、全国から団体臨時列車が運転されていた。時刻表には掲載されていない、団体専用、いわゆる「宗教臨」と呼ばれた臨時列車だった。この手の臨時列車には、EF58が使用されることが多く、機番を追いかけるようになると、毎月目が離せない列車になっていったが、ある程度時間をかけて関わってみると、パターン化されていることがわかり、撮影にも生かせるようになっていった。
当時EF58を撮影したいのなら、まず急行「銀河」を狙い、東海道線の荷物列車を狙っていたが、すぐにこの「宗教臨」の存在を知り、撮影計画に加えていくことになったのだ。この宗教臨と呼ばれる団臨は、定期運用を当時回送列車しか持たなかった東京区のEF58けん引の場合が多々あり、後に目の離せない列車になったのだが、時間帯が悪かったためか、撮影には苦慮した思い出が残っている。
掲載写真は、その東京区のゴハチがけん引する宗教臨。12系客車使用の場合が大半だったが、この時は、GW期間中だからか珍しく一般客車使用でやってきた。根府川と言えば、この位置と言われるほどメジャー撮影地だが、現在は撮影不可となりお蔵入りとなっている。アントンKにとっても思い出深い撮影地であり、懐かしさがこみ上げてくる。
1976-05-05 6314ㇾ EF58154 ハハフx8 東海道本線:真鶴-根府川