特急電車181系の話題を続けていきたい。
国鉄特急電車のパイオニアと言えば151系電車だが、その流れをくむ181系電車には、アントンKにとっても幼い頃から大きな存在感と憧れをもっていた。今まで生きてきた年代によって、その歴史のページは異なるだろうが、アントンKにとっては、以前にも示した「とき」「あさま」「あずさ」という181系最後の特急電車たちだった。もっとも今となっては、交直流型の481系列にも思い入れは出来ているが、幼き頃のイメージは181系の方が強く、その気持ちを引きずっていた。しかしそんな思いも、1982年11月の上越新幹線開業を待たずして消えていったのだ。後継の183系1000番台が幅を利かせて、当時は古くて故障の多発する181系電車は嫌われ者だったようだ。
しかし後年の1984年8月、何と九州で奇跡の再会を果たしたのであった。新幹線に道を譲り一時的に保留車となった181系から、短編成化による先頭車不足を補うため、比較的状態の良かったクハを485系へと改造した車両が存在したのである。もちろんこのことは、後から解ったことで全く偶然の出会いだった。
掲載写真は、その一期一会の出会いの場面。退避するED76の貨物列車と特急「有明」の並びを撮影すべく構えていたところへ現れたのは、赤帯も凛々しく低く構えたボンネット車だったのだ。驚嘆したのは当然だが、あの上越で散々追い回した「とき」そのもののお姿で感激したもの。編成との車体高や幅の差が解りづらいのが残念ではあるが、そんな思い出のある1枚なのである。この先頭車は、JR化後も生き延びて、181系電車一族の中では一番長生きだったようである。
1984-08-01 特急「有明」 Tc481-501 鹿児島本線:串木野駅にて