近所の悪ガキたちと
その日
少し開けた広場に集まった
広場といっても
資材置き場のような
宅地造成でまだ整備されてない
途中の荒れた場所のような
よく、仮面ライダーの戦闘シーンに
出てくるような
爆破されて土煙の立つような
そんな場所が
僕たちの小学生の頃
あちこちにまだ存在していた。
ある意味危険な場所だった。
そんな場所に仲間六人ほど集まって
手を繋ぎ円になり
僕たちは神妙な顔つきで
お互いを見合った。
僕をはじめとして悪ガキの弟やら
も混じって
何を始めようとしたのか？
それは…
UFOを呼ぶための儀式を
始めようとしていたんだ。
「ベントラ ベントラ スペースピープル…宇宙船の皆様…」そういう呪文のような
祈りのような
いわゆる…交信を試みた。
あの頃なんの雑誌かわすれたけど
小学館の小学6年生なのか？
学研の科学と学習だったか？
「宇宙船を呼ぼう！」なんて企画記事があった
その中で実際呪文のような
その言葉を言って
UFOを呼ぶ事ができた
なんて話しがあった。
あの頃それこそ、木曜スペシャルとかのユリゲラーの超能力やら
ネッシーとか雪男とかの世の中の不思議を特集することが流行っていた。
僕も小学生の3年ごろ
UFOらしきものを夕空に浮かんでたのを見たような気がする
そうして
その呪文を唱えると…
ということで、5〜6人くらいで心をひとつにして
UFOを、呼ぶという儀式を僕たちは
行った。
そういえばそれに似た
「コックリさん」なんかもあったなぁ
結果は
…
呼べなかったけど
呪文を唱えて
みんなが空を見上げて
UFOが飛来してくることを
願いつつ、
「ベントラ ベントラ〜」って言い続けた。
そして、その2年後僕たちは
ブラウン管の向こうに
UFOから降りてきた
綺麗な二人組の女性が
歌を歌うのを
目撃することになる
僕らが呼んだのは
「ピンクレディー」という宇宙人だった。
そしてその時
UFOは呼べなかったけど
僕らは
家に帰って
親たちに
「AFO」って言われた…