侵略者の基地
無言でそびえ立つ給水塔
まるでこの町を監視してる
いつ、誰が、何のために…
いやいや
単なる給水塔だから…
違う!あれは
絶対!侵略者の基地なんだ!
現実を受け入れず
いつまでも妄想のまま
見上げる給水塔
僕たちの命の水はここにある
その水は侵略者に管理されている
もう、彼らのコントロール下にある
僕たち。
密かに忍び寄る人類の危機
誰かいち早く気がついて
侵略者の野望を阻止しないと…
給水塔を見上げながら
そう、呟く。
幼児が僕を見上げながら聞く
「お兄ちゃん なにやってんの?」
「子供は知らなくていいんだ!」
「あれはね…きゅうちゅいとう って言うんだよ…わかった?」
「むふふ、何もわかっちゃぁいないな…」
侵略者は給水塔に似せて
彼らの乗り物だったりしてるのさ
これがそのまま飛翔体となって飛んで
いくのさ
侵略者は静かに忍び寄っている
地球人を監視し、情報を取っている
70年代
あちらこちらにそびえたっていた
給水塔
その後その本来の役割を終え
姿を消していくものもあり
残骸の如く置き去りにされたものも…
あの建物に見せかけた
侵略者の乗り物、侵略者の基地は
いつのまにか
僕の記憶からも消えようとしていた。