「シーズン」という歌は
安奈のヒットから
「Blue letter」という
歌のアンサーソングの
ようでもあり、
甲斐バンドの歌の世界は
硬派なロックゆえ、
とびきりのハッピーエンドや
弾けるような幸せ感を
感じることなんて
出来ないほど
どこか、
暗い影を引きずりながら
その影に向かって
叫んでいるような
そんなフラストレーションの塊が
どこかに紐付けされているように感じる。
爆発的はエネルギーを誘発する
ロックンロールを歌うことの
対局に
「シーズン」や「安奈」のような
ラブバラードを絞り出すように
歌う。
歌の雰囲気に見る
どこか男の照れと
気恥ずかしいさは
甲斐さん特有の
九州男児の醸し出す
男臭さだったりもする
安奈のヒットから
4年、CMにも起用された
この歌
いささか
ヒット曲を持ったグループ特有の余裕と貫禄を感じさせる
久々の売れ線の楽曲ながら
ゴツゴツし、毒気と男臭さを発散させてた甲斐バンドの雰囲気は
柔らかくスマートになっていった。
季節感を感じさせる歌はあまり
似合わないイメージだったが
バンドとしての進化を感じさせられ
それこそ
解散へのカウントダウンが忍び寄り始め、少しずつ、少しずつ
隙間とズレが
わからない大きさで
広がり始めていたのでしょう…
ほぼ、ピークを迎えた甲斐バンドとしての成熟しきったバンドは
その刹那に華々しく散る
場所を探し始めていた。